どんなおはなし?
コメディアンを目指しながらパブで働くドニー。
ある日、そのパブに巨漢の中年女性マーサが、落ち込んだように入ってきてカウンターに座った。
お金がないので水でいいという彼女を気の毒に思ったドニーは、紅茶をご馳走する。
マーサの目がきらりと光、顔には笑顔が戻った。
そこからドニーへの、恐怖のストーキング行為が始まる・・・・
実話に基づいた恐ろしいストーリー
なんと、これが実話に基づいているお話、というのだから驚きです!
このドラマで主役ドニーを演じているリチャード・ガッドが、自身の経験を一人芝居で演じていた内容を、Netflixが彼自身の脚本でドラマ化したもので、エミー賞などにも輝いています。
タイトルの『私のトナカイちゃん』(タイトルのbaby reindeerを『私のトナカイちゃん』とキャッチーに訳した方が素晴らしい!)は、実際に彼女が彼のことを呼ぶ愛称で、ドラマの中で彼女から大量に送られてくるメールの内容も、その変わった綴り方から余計に狂気を感じて、本当に怖いんです!
このストーカー女マーサを演じたのはジェシカ・ガニングという女優さんで、顔立ちは本当に愛らしいので、悲しい顔をしたりしおらしい態度を取られると、ドニーのようにちょっと同情心も感じたりしてしまうんですが、スイッチ入ると本当に下品で恐ろしい罵倒をしてくるので、その2面性を演じ切った彼女はものすごいと思います。
実際、エミー賞では助演女優賞を獲得していました。こんな怖いストーカー、『ミザリー』以来・・・。しかも実際に存在したというから恐怖倍増です。
なぜ早く通報しない!主人公にイライラ・・・
正直、かなり序盤から「マーサ、やばい・・・」ってオーラ出まくりなのに、なぜか連絡先教えたり、facebookの友達承認したり、優しい態度を取ったりするドニーに「なんでやねん!」と突っ込みたくなると思います。
実際私も、「そこで手を差し伸べるなってー!」と叫びました笑
しかし、ドラマが進んでいくと、ドニーの意外な過去のトラウマが浮き彫りになります。
実は単なるストーカーのお話ではなく、ドニーの内面の物語でもあるのです。
見るひとは気をつけて
性暴力の問題は、今世界でどんどん明るみになっている問題の一つです。日本でもジャニーズ事務所や中居くんからフジテレビまで、膿が破裂している状態です。
そういった性暴力に対しトラウマを持っている方は視聴に注意が必要かもしれません。
ただ、この物語を語っているのはコメディアンの主人公なので、事実は悲しく重苦しいながらも、どこか滑稽さをもって伝えようという作風が見えました。
一見の価値はあるドラマだと思います。
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