どんなおはなし?
自然豊かな湿地のほとりの小さな家に家族と暮らしていたカイア。
しかし、暴力的な父親から逃げるように母親が家出をし、さらに他の兄姉たち、最終的には父親までも去っていき、1人残されてしまう。
まだ幼いカイアは生き抜くために、湿地で貝を採りなんとか生活していくのだった。
時は流れ、美しく成長したカイアは母親譲りの絵の才能で、湿地に生息する生物を描くことを生きがいにしてひっそりと暮らしていたが、湿地で起こったある殺人の容疑をかけられ逮捕されてしまう。
殺されたのは街の有力者の青年で、カイアと密会していた噂もある。
果たして彼女が本当に殺人を犯したのだろうか。
裁判や彼女の回想によって物語が進み、真相が明らかになっていく・・・
原作は 本屋大賞 翻訳小説部門1位の小説
原作は2021年の本屋大賞翻訳小説部門で1位を獲得したディーリア・オーエンズの同盟小説。なんといってもタイトルがいいですよね!
全是界で1000万部も売れた、超人気作です。
映画制作にはリース・ウィザースプーンやジョン・ウーなどの名前もあり気合の入れようが伺えます。
先は読めてしまうが、総じて満足な作品
アメリカ映画ということですが、作品全体からはメジャー感よりはヨーロッパみが感じられる作品です。
舞台が60年代ということもあって、お洋服も可愛くてその辺りも楽しめますし、舞台の湿地の映像はとても美しく、鳥たちもたくさん見られて大満足。
しかし、こういった「最初に事件が起きて、真相を探っていく」ものとしては、緊迫感緩めだったように思って、先も少し読めてしまったのはちょっと物足りなかったかも。
これ、「イニシェリン島の精霊」風にしたらもっと不穏感あったのにと思いますよね。
でもでも、もしかして、そもそもそこ(サスペンス的な緊迫感)に重きを置いてなくて、あくまで「湿地の娘」と差別の対象となっている1人の不憫な少女を、それだけで犯人と決めつける人間の残酷さと、自然界で行われている殺傷とどっちが不自然かってことなんじゃないかと。
「自然は死を悲劇にしない」という言葉が心に残る作品でした。
実は鑑賞する前は、もっとダークで後味悪い映画だと思っていたんですが、そんなことなく楽しめました。
そして、エンディングのテイラー・スウィフトの曲もとても雰囲気と合っていて最高でした。
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