2分間ずっとループし続ける旅館『リバー、流れないでよ』

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アマプラ便り

どんなおはなし?

京都、貴船の温泉街のとある旅館『ふじや』。そこで働く女将や仲居や料理人たち、さまざまなお客様。今日も仲居のミコトはせっせと忙しなく働き、ほんの束の間、貴船川を見ながらふっと何かを思い煩っていた。

女将さんに呼ばれ、ハッとまた気を取り直し階段を上がり、部屋の片付けを始める・・・するとある瞬間、ミコトはまた川の前に佇んでいた

おかしな気分で部屋へ向かうと、片付けたはずの食器類が元に戻っている

デジャブ?既視感・・・まさか、時間が戻ってる???

そして何度もこの2分間のループを繰り返し、次第に温泉街は混乱に巻き込まれていくのだった・・・

スタッフとキャスト

脚本は『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半タイムマシンブルーズ』日本語版『スーパー・マリオ・ブラザーズ』の脚本などを手がける鬼才上田誠さん。ヨーロッパ企画という劇団の代表で、今作にも、主人公ミコト役の藤田理子さんを初めヨーロッパ企画所属の俳優さんがたくさん出演されています。

監督は同じくヨーロッパ企画の映像ディレクター山口淳太さん。上田誠さん脚本の映画『ドロステのはてで僕ら』の監督も務め世界でも話題になっている監督さんです。

また、エンディングで流れるくるり『smile』も雰囲気があっていてとても良かったです。

キャスティングもセンスが良くて、ヨーロッパ企画の俳優さんそれぞれがなんとも小気味よくて面白い演技をされているベースに、本上まなみさん、近藤芳正さんをビシッと配置。乃木坂の久保史緒里さんもフレッシュさをプラスしていてよかったです。

2分という短い時間も長く感じる不思議

最初、2分のループで何が描けるんだろうかと思っていましたが、2分も使い方によってはこんなにもドラマチックに描けるんだという驚きがありました。

時間はループしても、思考は続いていくのがとても面白く、悲惨なターンになる時もあれば、ミステリーや恋愛モードになるターンもあり・・・同じ2分でも色んな感情を味わうことができます。

とにかく脚本が素晴らしいのもありますが、役者さんたちの演技、さらには映像の美しさもあって、一つにまとまったとても良い映画でした。

主役の藤田理子さんが、川の「初期位置」から毎回階段を登っていく後ろ姿の撮影がとても好きで、姿勢がいいな、とか、着物が可愛いなと毎回思っていました。藤田さんはバレエをされていたということなので、そういった姿勢の良さも気持ちがいいです。

最初、2分のループがとても窮屈に感じたのに、段々と2分でなんでもできそうな気分にさせられるとは!

本当に素晴らしい映画でした。

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舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。静かな冬の貴船。ふじやで働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。ミコトだけではない、番頭や...

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