どんなおはなし?
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店「とんこつ」で働き始めたわたし。
「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは・・・。
「とんこつQ&A』帯より
感想
2022年に発売されたこちらの書籍、2020年に発表された『とんこつQ&A』含む、今村夏子さんの4編の短編が収録されています。
最も新刊が待ち望まれている作家・・・と帯に謳ってありましたが、今村夏子さんは書籍数が少ないだけに、待ち望んでいるファンが多くいます!
そして待望の新作のタイトルが『とんこつQ&A』って!
一体なんのお話なんだろう?エッセイ集かな?と思いました笑
読んでいくにつれ、なるほど、とんこつというのは中華料理屋の名前なのか・・・と分かってきて、そしてその店に雇われた主人公わたしの「いらっしゃいませ」も、メモを見ないと言えない不穏さが、完全に今村ワールドでどんどん読ませていく吸引力はさすがだと思いました。
今村夏子さんの小説の醍醐味って、立場のすり替わり、だと思うんですが、今回も見事にそれが堪能できます。なんというか、不穏なコントをみているような、可笑しいけどなんか怖いみたいなお話が抜群ですよね。
どこで読める?
書店ではなかなか見つからず、通販を利用しました!
まだ文庫化はされていないので、単行本となりますが、装丁がとても可愛いです。
ぜひチェックしてみてくださいね!
『とんこつQ&A』(今村 夏子) 製品詳細 講談社BOOK倶楽部
真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。 “普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり...
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