どんなおはなし?
感謝祭の日に外に出かけ行方不明になった7歳のアンナとその友人のジョイ。
家の近くにいた怪しい車の所有者アレックス(ポール・ダノ)に誘拐の容疑がかかるも、10歳程度の知能しかないアレックスには証拠不十分として釈放される。
納得のいかないアンナの父、ケラー(ヒュー・ジャックマン)はアレックスを拉致し拷問する。
一方、ストイックで有能なロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は新たな容疑者を突き止める。
果たしてアンナたちは無事なのか!犯人は?謎は深まる・・・
ドゥニ・ヴィルヌーヴのサスペンス
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督といえば最近では「メッセージ」「ブレードランナー2049」「デューン」などSF大作のイメージですが、この映画はしっとりと地味目の良質なサスペンスです。
最初、ドゥニ監督と知らずに見ていて、クレジットで見て「あーーなるほど!美しい映像だった!」と納得しました。
犯人を追うヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの演技も素晴らしく、映画の世界に入り込めました。容疑者の1人アレックスを演じたポール・ダノも素晴らしく、本編では大きな存在感を放ちます。
宗教のもたらすもの
この映画では宗教に関連したワードがいくつか飛び出します。
あまり詳しくはないのですが、映画の冒頭では主人公ケラーが主への言葉を口ずさみながら鹿を撃つシーンが描かれます。何かの暗示のようなショットです。
敬虔なキリスト教信者でありそうなケラーですが、娘が失踪すると人が変わったようになり、アレックスを拷問します。
ある考察では、拷問を受けるアレックスはキリストへのオマージュだという説がありましたが、面白い解釈で「なるほど!」と思いました。
ジェイク・ギレンホール演じる刑事は名前がロキ。ロキは北欧神話で有名なので知っている方も多いと思います!
調べてみるとロキは「終わらすもの」という意味があり、文字通り事件を収束させるためにストイックに捜査を続ける姿には痺れました。
ネタバレは避けますが、この映画には「神に戦いを挑むもの」も登場し、その行動は見るものを震撼させます。
ちなみにタイトルの「プリズナーズ」の意味は、prisoners=囚人・受刑者・捕虜という意味があり映画の重要なキーワードとなる単語です。
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