話題の「八犬伝」!公開日には間に合いませんでしたが、本日(2024年11月4日)鑑賞してきました。
「南総里見八犬伝」といえば、江戸時代に滝沢馬琴によって書かれた長編伝奇小説です。
あまりにも有名な書物ですが、実際に原作を読まれた方は意外に少ないかもしれません。
かく言う筆者も、「八犬伝」は、NHKの連続人形劇 「新八犬伝」で知りました。
1973(昭和48)年4月から1975(昭和50)年3月まで、全464話が放送され、筆者は毎回欠かさず見ていました。
「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」とか、「いざとなったら珠を出せ!」などの名台詞は今でも言えるほどです・笑
前置きはこのくらいにして、本作「八犬伝」をご紹介します。
どんなお話
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。
里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、
壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。北斎はたちまち夢中になる。
そして、続きが気になり、度々訪れては馬琴の創作の刺激となる下絵を描いた。
北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、
馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける──。
失明してもなお28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとはー公式サイトより
見どころ
まず、ストーリーは、「虚」である、里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士の運命を描く「八犬伝パート」と「実」である作者・滝沢馬琴と、葛飾北斎の奇妙な友情を通じて描かれる「創作パート」に分かれています。
そして、この二つのパートが交錯することにより新たな「八犬伝」を体験することになります。
ストーリーも素晴らしいですが、キャストがまた良かったです。
「八犬伝パート」の主役というべき、「犬塚信乃」役には、大河ドラマ「光る君へ」で道長の嫡男、藤原頼通を演じる渡邊 圭祐さん。
玉梓に操られた関東管領・扇谷定正を狙う「犬坂毛野」役には、板垣李光人さん。
日経トレンディによる「2025年 来年の顔」にも選ばれましたね。
扇谷定正に近づくため、巫女風の衣装で舞い踊る美女を熱演して、最初はどんな女優さんなのかなと思っていたら李光人くんとわかってびっくりです!
芳流閣で信乃と死闘を繰り広げる豪放な男「犬飼現八」役には、水上恒司さん。
映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」、NHKの朝ドラ「ブギウギ」で注目の俳優さんです。
そして、信乃を慕う身寄りの無い女性ながら後に運命が大きく動く「浜路」役には、「四月になれば彼女は」、「あんのこと」で大注目の河合優実さん。
「創作パート」では、「滝沢馬琴」役の役所広司さん。失明してもなお執筆を諦めず、28年の歳月をかけ「八犬伝」を書き上げる執念の人を熱演しています。
そして、馬琴の息子「宗伯」の妻、「お路」を黒木 華さんが演じます。
最初は夫に寄り添う目立たない役回りで、黒木さんではちょっと勿体無いかと思っていたら、
最終盤で、失明した馬琴に執筆を手伝わせてほしいと申し出て、なんと最終話まで完成させることができたということです。彼女がいなかったら「八犬伝」は未完に終わっていたかも・・
惜しいと思うのは、「八犬伝パート」がダイジェストだったことです。これだけの内容を映画1本の尺に収めるので致し方ありませんが、できれば、同じキャストで「八犬伝パート」の完全版を作っていただきたいものです。
ハラハラドキドキのスペクタルと感動の人間ドラマ。1本で2度美味しい映画となっています。
ぜひご覧ください。
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