美しいプライベートビーチで、急激に歳をとっていく恐怖
どんなおはなし?
ある4人家族が訪れた豪華なリゾートホテル。支配人からプライベートビーチを勧められた一家は、他の2組の家族とともにバスでビーチへ案内される。
「ここからは歩いて向かって下さい・・・」
運転手(ナイト・シャラマン監督ご本人です笑)にそう言われ、岩に囲まれた渓谷を通ってビーチへ向かう一行。渓谷を向けると、夢の様なビーチが広がっていた!しかし、先客と思われる死体を発見し、そこから事態は思わぬ方向へと進んでゆく・・・
登場人物が興味深い!
主人公一家の6歳の息子トレントが、人の顔と職業を暗記するのが得意で、旅行客に聞きまくるというほんわかエピソードにより、登場人物の職業が割と重要となってくる。医師、看護師、分析医、保険調査員、ラッパーと多種多様な人物がビーチに集う。
またビーチの各家族の中には必ず病人が混ざっている。ガン、てんかん、統合失調症、カルシウム欠乏症、血友病。。。果たして彼らはなんのためにビーチに集められたのか!
お父さん役がガエル・ガルシア・ベルナルで、なんか久しぶりに見たなって印象。あと、「マッドマックス 怒りのデスロード」で私の大好きなアビー・リーが出ていてアガる。
ビーチファッション
内容はともあれ、映像やカメラワークは抜群です。ビーチのファッションも全体的に見て色が美しくなるように考えられていたと思います。
お母さんの白と青のポンチョ。娘の赤いシャツ黄色い水着、青い短パン、緑のシャツ、などなど、色のバランスが素敵でした。大きい麦わら帽子も可愛かったなぁ。お母さん役のヴィッキー・クリープスが本当に可愛かったです。
つっこみどころは満載
ネタバレになるのであまり書けませんが、なぜ先客のラッパーはボーッと海を見ていたのか(連れの女性が海へ入ったきり帰ってこないのに)。ビーチへ向かう前、トレントが友達になった、ホテル支配人の甥っ子に、暗号ごっこのお手紙もらっていたけど、なぜすぐ読まないのか(子供はハマってることすぐやりたがる)。その他あげたらキリがないツッコミどころをぜひみなさんもお探しください笑
そうは言っても考えさせられたことも
この映画、見る年代によって感想は異なるかもしれません。永遠の時間を意識している子供たちにとってはティーンエイジに成長しても「この状況、全然こわくない」と恋愛にうつつを抜かしたり。
逆に中年だった夫婦には「この島にいたい」と問題から解き放たれて、夫婦が穏やかに歳を取って死んで行けるこの島で、死を受け入れることができたり。
急激に老化して目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったり、人間にとって、老化自体がなにより怖いホラーだなと思います。
腑に落ちないことだらけなのに、何故だか心にドシンと重くのしかかる作品でした。
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