台所という牢獄「グレート・インディアン・キッチン」

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映画ファッション

どんなおはなし?

インド南部、モダンな中流家庭から、まだカースト制の伝統が残る由緒ある家に、お見合いで嫁入りした妻は、姑に教わりながら料理や家事を学んでいくのですが、その頼りになる姑は長女の出産の世話で家を空けることに…。

新妻に全家事がのしかかる!

歯磨きセットを持って来させる義理の父、いつまでも壊れた水道管を直さない夫、残り物は出すな、米は炊飯器でなくかまどで炊け、洗濯は手でしろなどなど…

美しかった新妻は汗だくで家事に追われ、いつしか笑顔も消えてゆく。

そして驚きの行動に出るのだった!

タイトルとジャケットからは想像できない内容

タイトル、ジャケットからは、幸せな夫婦のステキな食卓、のような内容を想像していました。

まさか、このような内容とはびっくりで、このジョー・ベービという無名の監督さんをこれからも追っていこうと思いました。

とてもセンスを感じます。

お料理シーンはカッコいい

妻が嫁いで姑さんと料理していくシーン、また新妻自身もテキパキも家事をこなすシーンは、本当にかっこいいです。

忙しいながらも、いつも綺麗な服を着て美しい妻。色とりどりの衣装はぞれも素敵でした。

朝早くに起きて、かまどに火を起こし、新鮮な野菜を何種類も刻み、粉を手で挽き、スパイスもしっかりと加え、同時進行で何種類もの料理の進捗状況を把握しテキパキと料理を作っていくのは見応えがあり、本当にカッコいいです。その隙間に、ヨガをする夫、庭で新聞を読む義父の姿が挟まれ、男と女の対比を絶妙に表現しています。

家族とは、夫婦とは

この家庭の男性たちは親戚も含め、優しいふりをして、女性を上から見ていて、意見を言おうものならモラハラのように押さえつけます。

そのくせ、夫は学校の教師で女子学生たちに「家族とは夫婦が土台になっている」と教える立場。本当に、見ているこちらが腹立たしかったですね。

1番最悪だったのは(もうほぼ全部不快ですが)、生理は汚れの期間として、妻を汚いもののように扱うシーン。バイクで転んだ夫を心配して駆けつけた妻に対して、「さわるな!穢らわしい」と手を振り払ったこと。

それは妻がもっとも嫌悪感をしめした出来事でした。

いまだインドにある差別

オフィシャルホームページより↓

ジヨー監督は、「彼女の苦悩は全インド人女性のものだ」と、本作のテーマの普遍性を語る。家事労働と権力にまつわるジェンダー間のアンバランスの問題を、本作は歴史ある邸宅の薄暗いキッチンから社会に問いかける。

大事で大好きな家族のために、家事や料理が楽しくできたなら最高です。

それにはまわりの協力や理解、労いや感謝も必要だと感じました。

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