未開の地に響く美しい旋律「ピアノレッスン」

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どんなおはなし?

19世紀、スコットランドからニュージーランドの未開の地へと、子連れで嫁いできたエイダ

エイダは6歳の時から話すことができず、ピアノを弾くことが彼女の話す術でしたが、船に積んできたピアノは夫スチュアートに、重いから、と浜辺に取り残されてしまう。

時々浜へ来てはピアノを楽しそうに弾くエイダに魅せられた、スチュアートの友人ベインズは、土地とピアノを交換し、エイダにピアノレッスンを申し込む…

有名な主題曲

ピアノレッスン」といえば、やっぱり耳に残る旋律のピアノ曲です。

作曲家はマイケル・ナイマンで、この曲で一躍有名になりました。

当時のアカデミー賞授賞式で、この曲がかかった時に鳥肌が立ったのを覚えています。

作曲賞は「シンドラーのリスト」のジョン・ウィリアムズに取られてしまいましたが、あの曲も名曲でしたので仕方ない!

俳優陣の演技力

まず、主役のエイダ役のホリー・ハンターは素晴らしい!怒っている時の表現とか絶望して虚無な表情とかが鬼気迫っている。

子供役のアナ・パキン。天使と悪魔が同居している子供時代の雰囲気がお見事!

「ジュラシック・パーク」でお馴染みのサム・ニールも、DV夫の激情がとても迫真の演技で、変態チックにエイダを愛でるベインズ役のハーヴェイ・カイテルも存在感があった。

美しい衣装

19世紀のお洋服が美しいです。キュッとしまったウエストに、ふんわり膨らんだスカート。スカート下には立体的なペチコートを履いてふんわりさせていますが、これが映画の中では上手に演出されていました。

娘のフロラのチェックのスカートやボンネットも可愛かったです。

ピアノとともに

昔一度見た時に覚えていた内容と、今回見直した内容(特にラスト)の記憶が違っていて驚きました。記憶って、衝撃的な方を覚えているんですね。かなり誇張して覚えていたので、このラストは正直救われました。

エイダは6歳の時から、自分で話すことをやめた、とナレーションでありますが、その時からピアノとともに生きてきて、ピアノで自分を表現してきたんだと思います。

それをあのラストで、ピアノとともに一度死に、意思が選んだ「生」として生まれ変わった。そんな印象を受けました。

恋愛映画としては、初めに夫のスチュアートがエイダの気持ちを汲んでちゃんとピアノを運んで暖かく迎え入れていれば普通な恋のお話だったんでしょう。

ベインズの愛で方が変態チックで、覗き見る夫も変態でしたけど、そして時に母親に対して厳しい裏切りを見せる娘という生き物も、映画には欠かせない存在なのですけど、その辺りの気持ち悪さを差し引いても余りある、美しい映像と音楽は必見です。

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