どんなおはなし?
捜査一筋30年。正義感の塊の鬼刑事成瀬(阿部寛)。今は、一人暮らしの老人を狙うアポ電強盗詐欺の黒幕を追うことに心血を注いでいる。しかし、この時代、コンプライアンスに引っかかりまくり、同僚からパワハラの投書をされ、なんと音楽隊に異動事例が出されてしまう。
会議中の態度が悪すぎる笑
「なんで俺が!」
「小さい頃和太鼓やってたらしいじゃないか!」
納得がいかず、音楽隊のメンバーともぶつかりつつも、段々と自分を見つめ直していく。
監督はあのミッドナイト・スワンの内田英治監督
「ミッドナイト・スワン」は衝撃の映画でした。ラストは「リリーのすべて」と被って、可哀想すぎて2度はみられない映画です。
そんな鬼才内田監督がガラッと雰囲気を変えたこちらの映画。
「スウィングガールズ」のような音楽が人を変える系ですが、コメディに寄りすぎない社会派な部分もあり、とても見応えがありました。
キャスティングについて
阿部寛さんが出てるとなんでも面白いですよね笑
今回もガタイのいい野獣のような刑事が、音楽畑でアタフタしている姿は最高でした。
そんな巨人のような阿部寛さんの横で、怒鳴られても全く動じない清野菜名ちゃんが凛としてて素敵でした。
あとはやっぱり大好きな磯村勇斗さん。「きのう何食べた」から大好きです。今回は刑事役ということで、男らしくてかっこよかったです。
あと、娘役の三上愛ちゃん、音楽隊メンバーのモトーラ世理奈ちゃんという、次世代の可愛い子が出演してました。ニュー人類ですよね。可愛い。
社会問題を切る作品
ここではか弱い老人を襲う詐欺グループを主人公が執拗に追っています。
自らの母が認知症であり、妻とは別れ母親と二人暮らしで、娘とに仲もうまくいっていない。行き場のない葛藤で心の余裕がなくなり、現場では正義をかざし同僚たちに怒鳴り散らす。
上司達は保身ばかりで、目障りな職員は異動させる。
音楽隊では「なんで俺が、私が・・・」という人ばかりで、音楽隊と交通課の兼務で疲れ果て、常に不満があり、他部署を悪くいうけなしあいがある。
そんな社会の悪循環が、この刑事が音楽隊に異動させらるというストーリーにすべて詰まっていました。
転機が訪れたのは、音楽隊の春子と、納屋で和太鼓とトランペットを演奏した時。
「これがセッションと言います」
セッション。
これがこの映画の核だと思います。
結果、成瀬(阿部)は自分の態度を認め反省し、音楽隊のために頑張るようになる。
仲の悪かった同僚同士も、力を合わせるようになる。
最後には音楽隊と刑事課が力を合わせるようになる。
お互いを認めて、セッションする事で、歪みあうよりも何倍もの効果を発揮できること。
そんなことを教えてくれました。
ただ、演奏会に向かうために、バスをパトカーで先導するシーンだけはなくても良かったかなと思いました笑
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