MOHOシネマズ「ドライビング Miss デイジー」

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どんなおはなし?

ミス・デイジーは裕福なユダヤ人。

ある日車の運転操作を誤り、廃車にしてしまう!

歳をとった母を心配した息子は、黒人の運転手ホークを雇う。

初めは運転手を毛嫌いし、意地悪な言葉をかけていたが、話し上手のホークはそんな言葉もすいすいとかわして言い返し、いつしか2人の間には友情場芽生えるのだった。

アカデミー賞9部門にノミネートされた実力作

1989年公開のこの映画。元は戯曲だったものを映画化したものです。

当時のアカデミー賞の中継を生で見ていましたが、今でも記憶に残っています。

作品賞、主演女優賞、脚色賞、メイクアップ賞を受賞してアカデミー賞が「ドライビング Miss デイジー」一色でした。

また、受賞のたびにかかるテーマ曲も、最高で耳に残っています。

しかし、この時は「リトル・マーメイド」アラン・メンケンという強敵がいて、作曲のハンス・ジマーはノミネートを逃していました。

映画の中では25年の歳月が流れるため、おばあちゃんとはいえ美しかったジェシカ・タンディが、段々と白髪の老婆になっていくメイクアップは、受賞も納得の出来栄えで、ごく自然にいつの間にか歳をとっていたデイジーを見て、人生って短いんだなって切なくなってしまうのです。

配役について

まず、主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディは抜群でした。本当は優しいのに扱いづらく気難しいデイジーが本当にハマり役。

また、気さくでウィットに飛んだ黒人だライバー役のモーガン・フリーガンも最高です。南部訛りキツめの喋り方をかなり誇張していた感じでした。

デイジーの息子のダン・エクロイドも良かった。

母親に手を焼きながらも、いつも手を貸し見守っています。

この3人が絶妙で、暖かい空気が流れていました。

ファッションについて

アカデミー賞の衣装デザイン賞にもノミネートされている作品。

1948年から1973年までの時代を描いている映画なので衣装にも変換があり素敵でした。

ただ、デイジーについては、デイジーらしく一貫した好みがあるようで、40年代のエレガントなワンピースが多く、見ていてとても楽しかったです。

お墓参りの時のお花のついた帽子も素敵でした。

ジェシカ・タンディって歳をとっていても漂う品がある美しい女性ですよね。

人生はいつもなんとかやっていくもの

響いた言葉が二つありました。

まず、息子の家の家政婦さんが、ココナッツを買い忘れて妻にボロクソ言われて落ち込む家政婦に

こんなことで人生破滅と思うなよ」と慰めたシーン。

当の本人は怒られたことで頭はいっぱいだったでしょう。

でもこの一言で、ふと俯瞰した立場で全体を見られたんじゃないかと思うのです。

あー、奥様はいつも怒ってるから大したことないなと。

二つめは、デイジーの老人ホームへホークが面会に来た時のこと。

珍しくしっかりしていたデイジーに

「元気?」と聞かれ「何とかやってます」と答えるホーク。

「そうね、私も何とかやってるわ」とデイジー

人生何とかやっていくもんですね」と笑い合う2人。

この2人の会話を聞いていたら、人生何とかやっていけばいいんだなと、ふと心の軽くなるシーンです。

映画自体のストーリーは、大きな事件もなく、ただただ2人の会話劇なのですが、そこはかとなく漂う人種差別の溝、それを超えた友情がとにかく優しく温かく涙を誘います。

名作でした。

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