パリで開催されたオリンピックは閉幕しました。
前日、筆者は、最後の種目「女子マラソン」をテレビ観戦していました。
マラソンコースは世界的な名所を巡り、折り返し地点が、「ヴェルサイユ宮殿」とはパリでの開催ならではです。
数々の歴史の舞台となった、パリ、そしてヴェルサイユ。
筆者は、中でもフランス革命を思い起こさずにはいられませんでした。
今回は、フランス革命とも関係がある歴史映画をご紹介します。
「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」です。
どんなお話
ジャンヌ(マイウェン)は貧しい家庭の私生児として生まれます。苦労の末に、母娘でパリに出ますが、そこで財産家の継父からかわいがられ、まともな教育を受けさせてもらえます。その後、修道院での教育を終えると、元の家で侍女をしますが、素行上の問題から解雇されてしまいます。それから娼婦同然の生活を送っていたジャンヌは、類まれな美貌と知性で社交界の階段を駆け上がっていき、やがてヴェルサイユ宮殿でフランス国王ルイ15世(ジョニー・デップ)に紹介されます。国王とすぐに恋に落ちて、国王の公式の愛人、「公妾」となリますが・・
みどころ
ルイ15世を演じるのは、あの「ジョニー・デップ」です。さすがの存在感!
また、ヴェルサイユ宮殿で撮影が行われました。壮観で見応え十分です。
なお、シャネルが衣装協力したジュエリーや美しいドレスも登場します。
時代背景
18 世紀、バロック美術にかわってフランスの画家ワトーの作品に見られるような、繊細優美なロココ美術が広まります。
1715 年に太陽王ルイ 14 世が没し、幼い曾孫のルイ 15 世が即位します。国王が幼いため、ルイ 14 世の甥にあたるオルレアン公フィリップ2 世が摂政として、その後見役を担いました。成年に達したルイ15世は親政を宣言しますが、国王として政治的な指導力を欠き、改革は先送りされます。
商工業が一層さかんになって、商工業に関わる市民層は豊かになり、その数を増して社会的な発言力を強くしていきました。
1774年にはルイ16世が即位します。その後、世紀末の1789 年に起こった「フランス革命」によって王政は倒されます。
デュ・バリー夫人のその後
王太子妃として現れる、「マリー・アントワネット」は、デュ・バリー夫人と対立し、宿敵とされています。彼女の出自の悪さや存在を徹底的に憎んでいたと言われています。本作では、それほどの感情の描写はなく、むしろ、彼女の存在を疎んじていたルイ15世の娘たちが、宮廷で最も身分の高い婦人であるマリー・アントワネットを味方につけようと画策した様子が描かれています。
池田理代子先生の漫画「ベルサイユのばら」での彼女は、高慢な「王宮で権勢を振るう王の愛人」というイメージでしたが、本作での「純愛」を貫く姿は、そのイメージが変わるきっかけになるかもしれません。
彼女は天然痘で倒れたルイ15世の看病に努めますが、危篤に陥ったルイ15世から遠ざけられ、修道院へ入るよう命令が出されます。追放同然に宮廷を追われた彼女は不遇な一時期を過ごしますが、人脈を使って優雅な暮らしに戻ります。
フランス革命では、一度はイギリスに逃れますが、帰国して捕らえられ、断頭台(ギロチン)に送られてしまいます。
宿敵とされた「マリー・アントワネット」もすでに断頭台で処刑されています。
結局は、二人とも革命によってその人生を閉じることになります。
当時のフランスの風俗を知ることができ、歴史ファンとしては嬉しいところですが、何より激動の彼女の人生が衝撃的でした。壮大な歴史ドラマで見応え十分です。
機会があれば是非ご覧下さい。
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