この一冊『ピクニック / 今村夏子』

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この一冊

どんなおはなし?

ビキニでローラーシューズを履き給仕するというちょっと変わったバーに、新人が入ってきた。

その女は今人気のお笑い芸人と付き合っているという。その馴れ初めやエピソードを事細かに聞かされるにつれ、同僚たちは我がことのように応援していく。

しかし、ある日を境にその女が悲しい顔をするように・・・果たして彼女に何が起こったのか。

「こちらあみ子」に収録されている第2作目

こちらは先日ご紹介した『こちらあみ子』という今村夏子さんのデビュー小説と同時収録されている短編です。『こちらあみ子』『ピクニック』を読めば、もう今村ワールドに確実に引き込まれてゆくでしょう。

この『ピクニック』は、映画『花束みたいな恋をした』で、麦くんと絹ちゃんが「衝撃だった」と語っていたお話で、そこで興味を持って読まれた方も多かったということです。

感想

もう、冒頭の恋人との馴れ初めを語るシーンから秀逸で、どんどん引き込まれていきます。完全に読者は同僚の先輩の気分でこの女を見ていき、誘導されます。よく考えれば辻褄が合わないことも、面白いからなのか、応援してるからなのか、見ないようにしてるだけなのか・・・とにかく最終的にはその先輩たちの方が暴走してしまってるわけで、「むらさきのスカートの女」ともかぶる感覚で、本当に読んでいて引き込まれました。最高に面白かったです。

もう一作『チズさん』という短編も収録されていて、こちらの主役は少しボケてしまったおばあちゃんと、未認可でお世話をしている女性との、これもどこか変わっている関係を描いていて面白い作品でした。

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本当に、今村夏子さんのお話のすっかり大ファンになってしまって、今刊行されている本は全部手に入れました!

また読了しだいご紹介していこうと思います!

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