お正月、隙間時間になんとか見切った2作品をご紹介します!
後から知りましたが、2作品とも前田哲さんという方が監督をされていました。
『そして、バトンは渡された』
瀬尾まいこさんの大ヒット小説の映画化で、小説も、映画も、とにかく売れまくった映画です。タイトルからして、きっと感動ものだと思って今までは手をつけずにいたのですが、お正月というなんだか平和なムードもあり見てみたのです。
ストーリーは、みいたんという女の子の数奇な人生といいますか、苗字が4回も変わって育ての親が変わっていきます。みいたんは、みいみいとよく泣く泣き虫ということで「みいたん」というあだ名が付いている女の子。成長期に辛いこともありましたが、すべての親たちに愛されていき健やかに成長していくというハートフルなお話です。
若干、途中で先が読めてしまった感があり、号泣するというところまでの感動はなかったのですが、石原さとみさんと永野芽郁さんの演技が映画級ということで、華やかなエンターテイメント映画として楽しめました。
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
こちらは2018年の映画ということで、三浦春馬さんも出演されていて感慨深い作品です。幼い頃に筋ジストロフィーを患い20歳まで生きられないと言われた鹿野靖明さんという実際の人物をモデルに描かれた小説をもとにした映画で、24時間ボランティアの介助によって自立生活を送る鹿野さんとボラたちの愛しい日々の記録を描いています。
タイトルにもあるとおり、鹿野さんは、夜中にお腹が空いたからバナナを買ってこい!と遠慮なしに言うような人物で、はじめはなんて横柄な人なんだ、介助してもらう側なのに!とあまり好きになれませんでしたが、「オレが遠慮したらみんなも遠慮する」という、もう悟りにも似たある種達観した人物像にだんだんと惹かれていくから不思議です。
きっと、鹿野ボラのみなさんも、鹿野さんの介助をしながら、自分の心の介助を、鹿野さんにしてもらったのではないでしょうか。だから途切れることなくたくさんの若いボランティアスタッフたちが鹿野さんの周りに集っていたのでしょう。
鹿野さんを演じた大泉洋さんがさすがの演技で、ボラ役の高畑充希ちゃんの自然な演技や三浦春馬さんのまっすぐな演技も心に残ります。
映画としては若干エンタメ色が強い気もしましたが、鹿野さんのような生き方を知れたことは本当に良かったです。私だったらこんなに強く生きられないはずで、今、体が動くことだけでもありがたいなと思えました。
総評
ということで、気になっていた2タイトルを見ることができて満足でした!
『そして、バトンは渡された』については、先日同じく瀬尾まいこさん原作の『夜明けのすべて』をみたところで、同じ作家の原作でも、監督によってこうも感じる雰囲気が変わるのには驚きました。
個人的には『夜明けのすべて』は大傑作だと思っていて、マイベストに入るほど好きな作品となり感動しましたが、『そして、バトンは渡された』はエンタメ作品としてしっかり興行収入を獲得した大ヒット作となり、どちらの作品もすごいなという印象です。
『こんな夜更けにバナナかよ』はキャッチーなタイトルと、鹿野さんという底抜けに正直で明るいキャラクターで見逃してしまいそうですが、想像を絶する人生を生き抜いた鹿野さんという人物を知ることができて良かった作品です。
どんなことでも介助してもらうってことは、もう、羞恥心とか言ってられないわけで、それを取り除いた境地に、もし私なら辿り着けるのだろうか??いや無理だろう。と思ってしまうのです。
映画って、ほんと色々な人生が知れて勉強になりますよね!
『そして、バトンは渡された』はNetflixで、『こんな夜更けにバナナかよ』はAmazon Prime Videoで配信されていますのでぜひチェックしてみてください!
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