余韻が後追いでやってくる「アフター・サン」

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ひなぎくのほぼ日記

どんなおはなし?

11歳のソフィは離れて暮らす父親とバカンスを一緒に過ごすため、トルコのリゾート地にやってくる。

そしてその様子を父親の持ってきたビデオカメラで撮影しながら、親子2人の大切な時間を過ごしていく。

若い父親カラムは31歳。バカンス中にも兄弟に間違われたりし、それが嬉しいソフィ。

しかし徐々に情緒不安定な父親の姿が映し出され、大人になったソフィがそのビデオ映像を見返しながら当時の父親の心中を察していくというストーリー。

好き嫌い分かれる作品

何の予備知識もなく見てみました。

ポスターから受ける印象は、ソフィア・コッポラ監督の『somewhere』で、父と娘の郷愁ものかなあなんて思っていたんです。

途中までは、映像とかは素敵だけど正直ふーんかな、というくらいの気持ちだったんですが、ちょっとずつ父カラムの様子に違和感を覚え始めます。

そこで、リゾートホテルでのカラオケ大会があって、ソフィが

「お父さんの好きな曲入れたから歌おう!」

と言って入れた曲が、R.E.Mルージング・マイ・レリジョンで、この曲が好きだった父親って!って思ったんです。もちろん11歳のソフィは歌詞の意味なんて考えていません。本来なら一緒に歌おうと思っていたのに歌ってくれない父親にちょっと不満そうなソフィ。ソフィの歌う曲を聴きながら少し苦しそうな表情のカラムを見て、この映画の見方が一変しました!

31歳ということは、20歳の時の娘ということです。

あまりにも若く繊細だったカラムにのしかかった、愛と責任。

確実にソフィという存在を愛している反面、襲いくる現実に耐えられない心の弱さがある人なのかなと思い始めてからは、この映画に釘付けになりました。

ラストの回収も素晴らしく、見終わってから2時間後に余韻で泣いてしまいました。

この父親の真意や状況を推測できれば、この映画の評価は高くなるのかなと思いました。

監督とキャスト

監督は長編デビューとなったシャーロット・ウェルズ監督。ご自身も若くして父親を亡くした経験がありそのことも映画で生かされているとか。

また若く繊細な父親役を演じたポール・メスカルは本当に見事な演技で、アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされています。

またこちらも見事だったソフィを演じたフランキー・コリオは半年かけて行われたオーディションで見事合格した新人とのことで、今後にも期待ですね!

とにかく余韻を感じてほしい

この映画のタイトル「アフターサン」は日焼けの後という意味があり、日焼けのヒリヒリした後に塗るローションのような余韻を残す映画です。

監督の意図の通り、あのシーンにはこうゆう意味があったのかな・・・と大人になったソフィが感じた思いと一緒に余韻が訪れる映画です。

そして私はなぜか2時間後に買い物途中の空を見て、

「空を見上げて太陽が見えたら、パパも太陽を見ていると思える。同じ場所にいないし離れ離れだけど、そばにいるのと同じ」

というセリフも思い出して泣いてしまいました。

それくらい、余韻の残る映画なんです!

そしてそれを決定づけるような名曲の使い所!

デビット・ボウイアンダー・プレッシャーや、ブラーテンダー、ブロックパーティジス・モダン・ラブなどなど、ローファイな映像とともに、キラキラしたサウンドが合わさって切なさマシマシなのです。

ぜひ曲にも注目しながら鑑賞してみてくださいね!

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