『うる星やつら』『らんま1/2』『犬夜叉』など、時代を代表するメガヒット作を生み出し続けてきた巨匠・高橋留美子先生。その最新作『MAO(マオ)』のTVアニメが、2026年春よりNHK総合にて放送中です。
アニメーション制作は『犬夜叉』『半妖の夜叉姫』でも圧倒的なクオリティを見せたサンライズ。これまでのるーみっくワールドの王道を踏襲しつつも、より深く、よりシリアスな「ダークファンタジー×タイムスリップミステリー」として描かれる本作の魅力を、余すところなくレビューします!
令和の時代を生きる中学3年生の少女、黄葉菜花(CV:川井田夏海)。
彼女は幼い頃に遭遇した奇妙な陥没事故で生き残って以来、自身の体にどこか違和感を抱えていました。
ある日、事故現場となった商店街の門をくぐった菜花は、なぜか妖怪が蔓延る「大正時代」へとタイムスリップしてしまいます。そこで出会ったのは、謎めいた陰陽師の青年・摩緒(CV:梶 裕貴)。 初対面で菜花に「おまえ、妖(あやかし)だろう」と言い放つ摩緒ですが、実は二人は、かつて世界を震撼させた最凶の蠱毒(こどく)「猫鬼(びょうき)」による同じ呪いをかけられた者同士だったのです。
900年にわたる愛憎と、連鎖する呪いの謎。摩緒と菜花は、過酷な運命に立ち向かうべくバディを組み、時代を超えた旅へと身を投じていきます。
3つの見どころ
『犬夜叉』を彷彿とさせる、妖艶で緊迫感のある「シリアスるーみっく」
高橋留美子作品といえばコミカルな日常描写も魅力ですが、本作は『人魚シリーズ』や『犬夜叉』のシリアスパートをさらに濃密にしたようなダークな世界観が特徴です。「陰陽道」や「蠱毒」「五行の術」といったおどろおどろしくも美しい設定が散りばめられ、毎話ゾクゾクするような怪奇ミステリーが展開されます。
「令和×大正×平安」が交錯する緻密なタイムスリップサスペンス
単なる過去へのタイムスリップにとどまらず、摩緒の過去である「900年前(平安時代)」の因縁が、大正時代、そして菜花のいる令和にまで地続きで影響を与えています。「なぜ菜花は呪われたのか?」「摩緒の過去に何があったのか?」という謎解き(ミステリー)要素が非常に強く、続きが気になる展開が続きます。
主人公・摩緒の“静かなる色気”と魅力的なキャラクターたち
梶裕貴さんが演じる摩緒は、一見クールでマイペースですが、内に秘めた執念と優しさのギャップがたまりません。また、下野紘さん(百火役)や豊永利行さん(華紋役)といった実力派声優陣が演じる摩緒の「かつての兄弟子たち」も、それぞれ異なる術を操り、敵か味方か分からない絶妙な緊張感を与えてくれます。
アニメならではの注目ポイント
サンライズによる戦闘シーンの作画は流石の一言。摩緒が振るう「破軍星の太刀」の鋭い剣戟や、陰陽術のエフェクトはアニメならではのダイナミックさで描かれ、視聴者を一気に大正の空気感へ引き込みます。 また、大正モダンを意識した妖しくも美しい色彩設計や、物語に奥行きを与える劇伴(音楽・兼松衆さん)も素晴らしく、NHK総合の夜枠にふさわしい、大人が没頭できるアニメーションに仕上がっています。
結び(総評)
『MAO』は、これまでの高橋留美子作品へのリスペクトを感じさせつつも、全く新しい「大正怪奇ロマン」の扉を開いた傑作です。
単なる妖怪退治モノではなく、キャラクターたちが抱える「割り切れない愛憎」や「因縁の深さ」に胸が締め付けられます。ミステリー好き、ダークファンタジー好き、そして何より「かつて『犬夜叉』に熱狂した」という世代には間違いなく刺さる作品です。連続2クールという大ボリュームでじっくり描かれる摩緒と菜花の運命を、ぜひリアルタイムで見届けてください!

コメント