この藤子・ F・不二雄コンプリートワークスは、藤子・F・不二雄のSF短編シリーズ全110作品+αを単行本全10巻に再編集し、装いも新たに刊行されました。
「異色SF」シリーズ6冊(第1~6巻)と「少年SF」シリーズ4冊(第7~10巻)に分け、それぞれ概ね発表順に収録されています。
表紙がオシャレ!インテリアにも馴染む装丁で全巻集めたくなってしまいますよね。
藤子 ・F・不二雄先生が1969年に描かれたこの「ミノタウロスの皿」は人類と家畜が逆転している世界を描いています。
どんなおはなし?
宇宙船が故障し、地球に似た環境の星へ不時着した主人公。その星では牛に似た種族が人間を家畜にしており、美しい娘ミノアは大祭でのメインディッシュに選ばれ喜んでいた。
なんとかミノアに一緒に脱出するよう説得するのだが・・・
動物と人間のお話
動物と人間を題材にしたお話はたくさんあります。
「猿の惑星」では猿が人類を家畜として飼っていました。
「約束のネバーランド」では、人類は鬼の食料として飼育されていました。
「南総里見八犬伝」は伏姫が犬の妻になるお話です。
「美女と野獣」は野獣にされた王子と人間ベルの恋のお話。
「猿の婿入り」はこのミノタウロスの皿の元ネタではないかと言われている昔の民話です。
「LAM」は羊飼いの家にアダと名付けられた半人間の羊が生まれるお話でした。
生贄という観点からだと「聖なる鹿殺し」も彷彿とさせました。
藤子・F・不二雄のダークサイド
藤子先生といえばドラえもんやパーマン、キテレツ大百科など子供向けの楽しいお話のイメージですが、短編集は大人ダークな雰囲気で、一作一作が映画になるくらい絵見応えある作品ばかりです。
この短編集には
「ミノタウロスの皿」・「カイケツ小池さん」・「ドジ田ドジ郎の幸運」・「ボノム=底ぬけさん=」・「じじぬき」・「ヒョンヒョロ」・「自分会議」・「わが子・スーパーマン」・「気楽に殺ろうよ」・「換身」・「アチタが見える」
などの短編が収録されていて、どれも本当におすすめです。
中でもうちの子供たち(もう大学生)が昔からお気に入りなのは「ヒョンヒョロ」で、とにかく最後のシーンにはいつもゾ〜〜っとしてしまいます。
どの作品もオチが秀逸なんですよね!
日本が誇る、天才漫画家の1人で、日本の宝です!
このコンプリート短編集をこの機会に集めたいと思っています!
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