まなび「登録販売者試験・頻出成分」

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薬 まなび

愛知県における、2023年度(令和5年度)登録販売者試験は、9月6日(水)となります。

試験まであと1週間ということで、試験によくでる成分をまとめてみました。
受験を申し込まれた方など、ご自身の復習にもお役立てください。

西洋薬

グリチルリチン酸二カリウム

(作用本体)グリチルリチン酸

抗炎症成分

出題

かぜ薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、胃の薬、痔疾用薬、内服アレルギー用薬・鼻炎用内服薬、点鼻薬、点眼薬、外皮用薬、歯槽膿漏薬、口内炎用薬

作用

化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示す。

ポイント

  • 大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。
  • むくみ心臓病腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高い。
  • どのような人でも、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg 以上となる製品は長期連用を避ける。
  • 医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が200mg を超えないよう用量が定められている。
  • グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウが配合されている場合もある。
  • 甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられているため、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。

偽アルドステロン症とは

体内に塩分ナトリウム)と貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態である。副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、偽アルドステロン症と呼ばれている。
主な症状に、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、喉の渇き、吐きけ・嘔吐等があり、病態が進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣等を生じる。
低身長、低体重など体表面積が小さい者や高齢者で生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もある。また、複数の医薬品や、医薬品と食品との間の相互作用によって起きることがある。初期症状に不審を感じつつも重症化させてしまう例が多く、偽アルドステロン症が疑われる症状に気付いたら、直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医師の診療を受けることが重要である。

メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩

アドレナリン作動成分

出題

かぜ薬、鎮咳去痰薬、外用痔疾用薬、内服アレルギー用薬・鼻炎用内服薬

作用

交感神経系の刺激

ポイント

  • 中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされ、依存性がある成分であることに留意する必要がある。
  • 吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。
  • 要相談)心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人、高齢者、授乳中の人
  • メチルエフェドリンは、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品である。

クロルフェニラミンマレイン酸塩

抗ヒスタミン成分

出題

かぜ薬、乗物酔い防止薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、外用痔疾用薬、内服アレルギー用薬・鼻炎用内服薬、点鼻薬、点眼薬、外皮用薬

作用

ヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える。

ポイント

  • 服用後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける。
  • 眠気排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがある。
  • 排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人では、治療を行っている医師等に相談がなされるべきである。

生薬

センソ

基原

ヒキガエル科のアジアヒキガエル等の耳腺の分泌物を集めたもの

効能

微量で強い強心作用を示す。

ポイント

  • センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用する。
  • 有効域が比較的狭い成分であり、1日用量中センソ5mg を超えて含有する医薬品は劇薬に指定されている。
  • 一般用医薬品では、1日用量が5mg 以下となるよう用法・用量が定められている。

ヒマシ油

小腸刺激性瀉下しゃげ成分

基原

ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた脂肪油である。

効能

小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらす。

ポイント

  • 日本薬局方収載のヒマシ油及び加香ヒマシ油は、腸内容物の急速な排除を目的として用いられる。
  • 急激で強い瀉下作用( 峻下しゅんげ作用)を示すため、激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている。
  • 吸収された成分の一部が乳汁中に移行して、乳児に下痢を引き起こすおそれがあり、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。
  • 主に誤食・誤飲等による中毒の場合など、腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合に用いられるが、防虫剤殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある(ナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがある)。

カンゾウ

基原

マメ科のGlycyrrhiza uralensis Fischer 又はGlycyrrhiza glabra Linné の根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)

効能

グリチルリチン酸による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液分泌を促す等の作用

ポイント

  • 大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがある。
  • むくみ心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、それらの人に1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上の製品を使用する場合は、治療を行っている医師等に相談する。
  • どのような人でも、1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品は、長期連用を避ける

漢方薬

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

(構成生薬)マオウカンゾウ、桂皮など

しばり
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るもの

症状
気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症

不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人(悪心、胃部不快感等が現れやすい)

副作用(重篤)
肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症

こんな薬
・名前の由来は、春をもたらす四神のひとつ、青竜と、マオウ(麻黄)の色から。
・マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分であり、気管支拡張のほか、発汗促進利尿等の作用も期待される。

抑肝散(よくかくさん)

(構成生薬)カンゾウ、柴胡、釣藤鈎ちょうとうこう、茯苓など

しばり
体力中等度を目安として、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるもの

症状
神経症、不眠症、小児夜なき、小児かん(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症

受診勧奨
心不全を引き起こす可能性があるため、動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた場合。

こんな薬
名前の由来は、「肝」の高ぶりをおさえることから。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

(構成生薬)麦門冬など

しばり
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもの

症状
から咳、気管支炎、気管支喘息ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声

不向き
水様痰の多い人

副作用(重篤)
間質性肺炎、肝機能障害

参考)改訂版 この1冊で合格! 石川達也の登録販売者 テキスト&問題集 (KADOKAWA)、
医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! (金芳堂)
 登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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