今回は、筆者が没頭して読み漁った本、「烏に単は似合わない」を紹介していきます!
「烏に単は似合わない」とは
「烏に単は似合わない」は阿部智里作の「八咫烏シリーズ」第一作目です。この作品で阿部さんは松本清張賞を史上最年少で受賞しています。八咫烏シリーズはシリーズ累計150万部超えの人気作品!
本作と「八咫烏シリーズ」第二作目「烏は主をえらばない」は松崎夏未さんの作画で漫画化されています。
どんな話?
舞台は「八咫烏(やたがらす)」の一族が支配する世界「山内」。
山内の長である「金烏」を継ぐ若き皇子、若宮の妃選びが開始されるところから物語ははじまります。
娘が妃になるということは次世代の権力を持つということ。
「東家の姫・あせび」「南家の姫・浜木綿(はまゆう)」「西家の姫・真赭の薄(ますほのすすき)」「北家の姫・白珠(しらたま)」、四大貴族のそれぞれの姫君たちが、お家の命運を背負って送り込まれてきます。
若宮に選んでもらうため、それぞれ個性的な美しさを持つ姫君たちは「桜花宮」で生活をすることになります。
しかしながら、当の若宮は一向に姫君たちのもとに現れません。様々な思惑が暗躍する中、ある日、桜花宮であってはならない事件が発生します。ミステリー要素満載の和風ファンタジーです。
見どころ
美しい言葉で作り出される雅な世界観
筆者は「後宮」がテーマの物語が大好きで、よく読むのですが、この作品は、抜群に世界観が美しい!
その要因は文章の美しさです。登場人物や背景の描写がとにかく優雅で雅。筆者が特に好きなのは姫君たちの登殿シーン。4人の姫は四季がテーマとなった容姿をしていて、それぞれ違った美しさがこと細かく描写されています。きめ細かい柔らかな御髪、雪のような真っ白な肌、凛とした瞳・・・姫君たちを形成していく美しい言葉は何回読んでもうっとりしてしまいます(#^^#)
ファンタジーにまったく興味がない人にもおすすめ!本格派ミステリー!
あらすじだけを聞いていると一見、よくある後宮のどろどろとした恋愛物語のように感じると思います。もちろんあらすじのように主軸は恋の駆け引きが行われていく展開なのですが、何気ない穏やかな日常の場面から感情が高ぶった登場人物のセリフまで、様々な場面に伏線が張り巡らされており、途中からはミステリー要素満載な展開となっていきます。
物語の最後、すべての謎が解き明かされたとき、あまりの衝撃な展開に筆者は鳥肌が立ちました^^;
ファンタジー要素ももちろんありますが、ミステリー好きにもぜひ読んでほしい一冊です。
「烏に単は似合わない」だけで終わらないで!全シリーズ読んでほしい「八咫烏シリーズ」
今回紹介した八咫烏シリーズ第1作目の「烏に単は似合わない」は単独で完結するお話です。しかし、ぜひ「八咫烏シリーズ」2作目以降もぜひ読んでほしいです!
あまりここに書いてしまうと2作目以降で解き明かされていくゾクゾク感が味わえないと思うので詳しくは言えませんが、実は「烏に単は似合わない」はこの世界の物語のプロローグ、本筋にもたどり着いてないのです。本作の何気ない登場人物が実は重要人物だったりも・・・
ぜひ2作目以降も読んでいただき、美しく雅な八咫烏の世界がどんどん広がっていく様子を存分に味わってみてください!
コメント