「大明皇妃-Empress of the Ming- 」

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ドラマ

激動の明朝で、3人の皇帝を支え、国の危機を救った一人の皇后の愛と勇気の物語です。

イントロダクション

ここでは、物語を楽しむための時代背景などをおさらいしておきます。高校の世界史のお話になります。

明の時代(1368~1644年)

日本の歴史で例えると、室町時代(1336〜1568)から江戸時代(1603年1868年)にあたります。

明は、元(モンゴル)の勢力を追い払って建てられた漢族の王朝です。約280年間続きました。
初期には、皇帝の独裁権力が強化され、大規模な対外発展も行われますが、中期以降は「北虜南倭」という外の勢力からの圧迫を強く受け、国内外も混乱しました。最後は、飢饉に苦しんだ農民らの反乱のなか滅びました。
1368年、朱元璋(しゅげんしょう)が南京(金陵)で即位して、国号を「大明(だいみん)」、元号を「洪武」と定めて、明朝は始まりました。
ちなみに、朱元璋は貧しい農家に生まれ、悲惨な子ども時代を過ごします。元代末の「紅巾の乱」に加わり、頭角を現します。ところが、皇帝につくと、かつての仲間を次々と数万規模で処刑してしまいます。陰険・残虐な人柄で、中国史上、特に人気のない皇帝です。

江南(こうなん)で建国して、中国の統一を果たした王朝は、明朝が最初となります。
江南の豊かな経済力が背景となって、王朝が建てられるまでになったというわけです。

洪武帝の死後、孫の「建文帝(けんぶんてい)」が2代目の皇帝になりました。
しかし、その叔父(洪武帝の4男)、燕王(えんおう)が、反乱を起こして、南京を占領し、帝位を奪い取り、永楽帝と名乗ります。このクーデターを「靖難の役(せいなんのえき)といいます。
建文帝は混乱のなか、行方不明となります。
この永楽帝の時代が明朝の最盛期です。
対内的には、内閣大学士という皇帝を補佐する役職をつくり、宦官を重んじました。また、都を北京に移し、北京と江南を結びつけるために運河の大改修を行います。
対外的には、積極策を実行し、鄭和(ていわ)に南海諸国遠征を行わせます。

(参考)ナビゲーター世界史B2アジア史(山川出版社)

どんなお話

ちょっと長めの歴史のお話でしたが、この背景を知っておくとこの作品をより楽しめます。

明朝3代皇帝・永楽帝が即位するきっかけとなった、「靖難の役」で両親を亡くし、4歳の妹とも生き別れになった8歳の若微(じゃくび)は、孫愚の養女、孫若微として育ちます。18歳になった若微(タン・ウェイ)は、反乱軍の仲間とともに上京し、永楽帝の暗殺を試みますが失敗に終わります。
一方、永楽帝の孫で、後の5代皇帝となる、朱瞻基(せんき)(ジュー・ヤーウェン)は、祖父の命により、反乱軍の調査を行っていました。その最中に若微と出会います。
悪夢に悩まされていた永楽帝は、行方不明のおい「建文帝」と和解しようと考えるようになっていました。瞻基は、若微を通じて、逃げ延びた建文帝の居所を突き止めようと画策しますが・・

みどころ

永楽帝の暗殺を企む反逆者として登場した「孫若微」が、いかにして困難を乗り越えて、宮廷に入るのか、その人間ドラマが最初のみどころとなります。

10代から皇太后までを見事に演じきったタン・ウェイの美しさと素晴らしい演技に魅了されます。

本作は、本ブログでもご紹介した「尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ 」とはぼ同時代が描かれているのも興味深いです。ヒロインの設定が違っていたり、同一人物を作品ごとに別の役者さんが演じているのを比べてみるのも楽しいです。

そして、総製作費100億円とされる大スケールで、明朝時代が描かれています。
当時の宮廷の風俗や生活を知ることができるなど、歴史の勉強にもなりますね(笑)

永楽帝が鄭和と一緒に来た各国の代表団を謁見するシーンでは、日本の代表も来てました。
永楽帝が、その日本の代表に「足利将軍に倭寇をなんとかするように伝えよ」というシーンまであります。

物語はもちろん孫若微を中心に描かれますが、永楽帝の存在感が圧倒的です。権力者の孤独、人心掌握のための権謀術数など、ドロドロした人間ドラマの一面もあります。

他にも、若微と朱瞻基の間の息子でのちに皇帝となる朱祁鎮(しゅきちん)をチャン・イーシン(“EXO”のレイ)が、若微を愛し見守り続ける徐浜(じょひん)をチャオ・ジェンユーなど、イケメン俳優が出演しています。(笑)

全62話、DVDでは5巻の大ボリュームの本作品ですが、見どころ満載でおすすめです。
なお、U-NEXT、Amazonプライムなどでも配信されています。

大明皇妃 -Empress of the Ming- (字幕版)

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