『ドッグマン』犬小屋に監禁された少年の行く末を描く、リュック・ベッソン監督の快作

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ひなぎくのほぼ日記

どんなおはなし?

ある雨の夜、一台のトラックが職質を受ける。血だらけの女装した男が運転していたその車の荷台には、数十匹の犬たちがいた・・・

収監された男は「ドッグマン」と呼ばれ、精神科医に生い立ちを話し始める。

暴力的な家庭に育ち、闘犬のために飼われていた数匹の犬とともに檻の中で育ったというダグラス。

人間よりも犬に愛情をもらってきたダグラスは犬たちとの絆が深く、次第に犯罪に手を染めるようになっていく・・・

リュック・ベッソンらしい快作!!

実はリュック・ベッソン映画を久しぶりに観ました!リュック・ベッソンといえば私は断然『グラン・ブルー』!!そして『ニキータ』『レオン』など暴力と哀愁を描かせたらピカイチの監督さんです。

この映画も、暴力の犠牲になった少年が、犬たちの中で愛を学び、ある意味愛情深いアーティストに成長していきます。

愛と、暴力と、クレイジーさと、コミカルさ。監督の良さがピタッとハマった快作に仕上がっていました!

実際にあった、少年の犬小屋での監禁事件に着想を得て、監督自身が書き綴ったオリジナル脚本をぜひご堪能ください!

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが良い!

存在感たっぷりの俳優さんで、私も大好きなケイレブ

今作では難しい役どころを見事に演じきっていました。中世的な雰囲気なので、女装も似合っていましたよね。エディット・ピアフの曲を歌うシーンは危機迫るものがあり、特にラストシーンは監督自身もお気に入りで、映画史に残る名シーンだったと思います!

個人的に『ジョーカー』ホアキン・フェニックスが脳裏をよぎりました。ベッソン版の『ジョーカー』とでもいうような胸に迫るものがあります。しかし、この作品の救いは犬たちで、犬たちの見返りを求めない真っ直ぐな愛情によって本当に救われました。

少年時代の役の子役が、完全にリュック・ベッソン監督の好みの顔だなと思いました。毎回毎回よく見つけてきますよね(笑)

ワンコたちの演技にも脱帽

今作に欠かせない、犬たちの演技!!とにかく可愛くって、最高でした!

「人間たちは仲間内で争うが、犬たちは絶対に仲間を守る」と、ダグラスが心底信頼していた犬たち。

色々な犬種の子たちが群れで統率され動くシーンは必見です!

最近、動物が登場する映画に敏感になっていて、例えば戦争映画の馬たち無理させてかわいそう・・・とか、そんな近くで大きい声びっくりするじゃん!とか思うんですけど、この映画に関しては大丈夫でした。犬たちに精神的負担にならないよう配慮されてる感が伝わります。画としては物足りないのかもしれませんが、このほうが全然好感のもてる作品です。その点、本当に素晴らしかった。

公開当時は私も大好きな彫刻家はしもとみおさんによるコラボ彫刻が製作されたそうで。見て見たかった!

はしもとみおさんについてはこちらのブログでも書いています。

痛みを持つ人間への愛情

ラストシーンは本当に素晴らしかったと思います。

生い立ちを聴いていた精神科医の女性は、夫からDVを受けて離婚しており、そんな夫に怯えながら母と幼い子供と暮らしていました。詳しい事情は話さなかったものの、ダグラスはそのことを敏感に感じ取り、「同じ痛みを持っている」と彼女に同情します。犬たちから愛情を教わったダグラスは、人間には察知できない同族の痛みを感じ取り、ラストは彼女にある贈り物をします。

監督もご満悦の名ラストシーンをぜひお見逃しなく!!!

そしてエンディングでは、監督の娘さん、sateenが曲を提供しています。映画にあった名曲ですのでそちらもぜひ聴いて見てください!

『ドッグマン』Amazon Prime Videoにて配信中です。

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