池田理代子先生の不朽の名作漫画「ベルサイユのばら」。
1972年より「週刊マーガレット」にて連載開始した本作は、宝塚歌劇団による舞台化やテレビアニメ化もされ、社会現象ともいえる「大ブーム」となりました。
筆者も当時、従妹がコミックスを集めていたこともあり、全巻読破するほどの大ファンです。(笑)
その「ベルサイユのばら(ベルばら)」が、連載開始から50年以上の時を経て、劇場新作アニメとして登場します。しかも、過去のテレビシリーズなどの再編集ではなく、「完全新作」ということです。
もう嬉しすぎるニュースです!
今回は、2025年1月31日の公開が待たれる「ベルばら」をご紹介します。
どんなお話
将軍家の跡取りで、「息子」として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(CV:沢城みゆき)。隣国オーストリアから、後の国王ルイ16世(CV:落合福嗣)に嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット(CV:平野 綾)。
オスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ(CV:豊永利行)。
容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(CV;加藤和樹)。
彼らは、栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会います。そして、巻き起こる時代の嵐、「フランス革命」。時代に翻弄されながらも、懸命にそして、美しく生きます。
フランス革命とは
1789年にフランスで勃発した、ブルボン絶対王政を倒した市民革命です。
封建的特権の廃止、人権宣言、王政廃止、憲法制定などを実現、共和政を実現します。
王政とそれを支えた貴族階級に代わりブルジョワ階級が権力を握りますが、革命の過程で急進派と穏健派が分裂、ロベスピエールによる恐怖政治を経て、周辺の君主制国家からの介入もあって革命政権は動揺し、1799年のナポレオンの軍事独裁政府の成立に至ります。
このうち「ベルサイユのばら」で語られるのは、主に、次の部分になります。
フランスでは、ブルボン王朝による絶対王政が、国家財政の悪化により揺らぎ始め、ついに民衆の怒りが爆発し、パリ民衆による「バスティーユ牢獄」の襲撃で、フランス革命の火ぶたが切られます。
そして、「封建的特権の廃止」と「人権宣言」をルイ16世がなかなか批准しようとしないため、憤慨したパリ民衆は、ベルサイユ宮殿まで行進し、国王一家をパリのテュイルリー宮殿に移し、国王に両宣言の批准を強います。
立憲国民議会は、革命派の民集(サンキュロット)の力を借りて、国王側の抵抗を抑えつつ、立憲君主制の実現を目指します。そして、人権宣言を前文とする憲法(1791年憲法)が制定されます。
新しい国会である立法議会が開会しますが、立憲君主制をはかるフィヤン派が多数を、さらなる民主化を求めるジロンド派が少数を占めます。
これで落ち着いたかと思われた矢先の1791年の夏、国王一家がパリのテュイルリー宮殿を脱出して国外に逃亡しようとする事件が発生します。(ヴァレンヌ逃亡事件)
この事件で、国王に対する国民の信頼が大きく損なわれ、深い動揺が広がります。
最初は事態を静観していた周辺諸国も国王と王政を支持する判断に傾いていきます。
1792年、オーストリアに宣戦布告して開戦しますが、戦況が不利になるなか、パリ民衆は武装蜂起し、やがて、王政廃止と共和政(第1共和政)の成立につながっていきます。
この渦中、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは反革命とのことでギロチンで処刑されることになっていきます。
みどころ
フランス革命という激動の時代。時代に翻弄される主人公「オスカル」様。
その強烈な生き様と、彼女を最後まで支え続ける「アンドレ」の真心。
この二人を中心に、マリー・アントワネットとフェルゼンが複雑に絡んでいきます。
まさに、「運命と愛」の物語です。
かつての大ブームを知る筆者にとって、あの感動が蘇ってきます。
ぜひ、劇場で鑑賞してください。
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