洋館の魅力再発見!「日本の美しい洋館」

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ひなぎくのほぼ日記

筆者は、レトロモダンな洋館が大好きです。

前に、京都のレトロモダンな建物の本をご紹介しました。

京都のレトロモダンな建物も素晴らしいですが、日本全国にも明治期以降の洋館が大切に守られています。そんな洋館たちをご紹介する本が「日本の美しい洋館 内田 青蔵 (監修), 伊藤 隆之 (写真) エクスナレッジ 」です。

日本の美しい洋館

本書の特徴は以下の通りです。

日本全国に残る洋館32事例を紹介!

日本各地には、地元の有力者が遺した明治期以降の洋館が大切に守られています。
本書では、青森から福岡まで、日本各地の“実際に見に行ける”洋館、全32事例を厳選。
特徴的な建築様式や、その建物ならではの装飾、建設に携わった人物の紹介など、
洋館の魅力を豊富な写真・図面とともにたっぷり紹介!

写真を眺めて楽しむもよし、見学に行く際のガイド資料とするもよし。
洋館好きの方にぜひご覧いただきたい一冊です。


【掲載事例一覧】
盛美館(旧清藤盛美邸)/天鏡閣(旧有栖川宮威仁別邸)/とちぎ明治の森記念館(旧青木家那須別邸)/イタリア大使館別荘記念公園本邸(旧イタリア大使館夏季別荘)/旧土岐家住宅洋館(旧土岐章邸)/千葉市民ギャラリー・いなげ(旧神谷傳兵衛稲毛別荘)/朝倉彫塑館(旧朝倉文夫邸)/公益財団法人和敬塾本館(旧細川護立邸)/迎賓館赤坂離宮(旧東宮御所)/旧日向家熱海別邸(旧日向利兵衛別邸)/起雲閣(旧根津嘉一郎別邸)/旧林家住宅(旧林國蔵邸)旧本多忠次邸/博物館明治村(芝川又右衛門邸)/文化のみち二葉館(旧川上貞奴邸)/旧右近家住宅西洋館(旧右近権左衛門邸)/六華苑(旧諸戸清六邸)/旧西村家住宅(西村伊作記念館)/長楽館(旧村井吉兵衛別邸)/アサヒグループ大山崎山荘美術館本館(旧加賀正太郎邸)/聴竹居(藤井厚二自邸)/泉布観/田尻歴史館(旧谷口房蔵別邸)/松山大学温山記念会館(旧新田邸)/ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)/旧乾家住宅(旧乾新兵衛邸)/旧ハンター住宅/多木浜洋館・同比閣(旧多木久米次郎邸)/仁風閣/呉市入船山記念館(旧呉鎮守府司令長官官舎)/旧松本家住宅/柳川藩主立花邸御花西洋館(旧立花寛治伯爵邸)

Amazonの本書の紹介ページ

この中で、筆者が注目したのが、「芝川又右衛門邸」です。

この建物は、現在、愛知県犬山市にある野外博物館「明治村」で見られます。

芝川又右衛門邸

現在の兵庫県西宮市甲東園に建てられた、大阪の商人であった芝川又右衛門の別荘。設計者は当時の京都工等工芸学校の図案科で主任を務め、のちに京都帝国大学建築学科の創設者となる武田五一でした。
建物は木造2階建てのスペイン瓦葺き。1階は開放的なベランダに、外へ張り出したボウウィンドウを設けるなど洋風の造りになっています。それとは対照的に2階は和風としつつも、 1、2階に一体感をもたせてまとめています。武田五一の設計による、和洋意匠を折衷した住宅の好例といえるでしょう。

博物館明治村のサイトより

明治村は、日本各地で壊される運命にあった明治建築を移築して、展示しています。
筆者もお気に入りで何度も足を運んでいます。

数々の魅力的な建物の中で、一際モダンな建物が「芝川又右衛門邸」です。

以前から気になっていたので、今回調べたところ、意外な事実がわかりました。

又右衛門は1896年に上ケ原に果樹園「甲東園」開設。
この果樹園は、甲州ブドウや天津桃の栽培に適した。
現在の甲東園駅からキャンパスまでの道路は芝川が果樹園のために私設したものである。
甲東園が開けるには学校と病院と助産師が不可欠と考え、大阪の回生病院の分院(現、山内病院)と大阪の産婦人科医院として定評のあった緒方病院から助産師(石黒とめ、1979受勲)を東側駅前に誘致した。
甲東園駅は、阪神急行電鉄小林一三の要請に応じて主として駅東側1万坪と軌道用地そして5,000円を芝川が寄付する条件で新設された。
1929年、関西学院は上ケ原校地に移転。
この移転に先立ち、又右衛門は小林一三に上ケ原の土地を売却。
自己所有地以外の土地の入手を取りまとめ、上ケ原のキャンパス用地確保に大きな役割を果たした。
関西学院が移転した年、又右衛門の喜寿(77歳)にちなんで77本のクスノキの若木が学内に植えられた。

又右衛門は、1911年、甲東園に自らの別邸を建設している。
隠居後、甲東園を常住の地とし、和館と洋館を増築した。
武田伍一設計、竹中工務店施工の「芝川又右衛門邸」(別邸・洋館)は阪神・淡路大震災で被害を受けたため解体、その後明治村に移築され一般公開されている。

学校法人関西学院のサイトより

関西をよく訪れる筆者は、以前から、兵庫県西宮市にある阪急今津線の「甲東園駅」の駅名の由来が気になっていました。
あの「甲子園」と関係があるのかなと思っていたのですが、なんと、筆者にゆかりのある「関西学院」とお気に入りの「明治村」との意外なつながりがわかってびっくりしました。

皆さんも本書を参考にお気に入りの洋館を見つけてみませんか。

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