愛の果てに選択する道
どんなおはなし?
長年連れ添っているゲイカップルのサム(コリン・ファース)とタスカー(スタンリー・トゥッチ)。2人がキャンピングカーで旅をしている所から、映画は始まります。
なんの説明もなく、2人の様子から段々と、2人の関係性や、この旅の目的が見えてくるのです。
タスカーはある病気を抱えていて、この旅である選択をしようとしていました。果たして2人の愛の果てにはどのような選択がなされるのでしょうか。
兎にも角にも美しい映像と音楽
ロードムービーには美しい風景がつきものですが、それにしても美しすぎます!
ロケ地はイギリスのカンブリアという事ですが、こんなに美しい大自然が残されているのですね!
小説家のタスカーは趣味が良さそうで、DonovanやKaren Daltonなど60〜70年台の心に沁みるような曲を車内で聞いていました。
またピアの曲の「愛の挨拶」を聞いている時、ピアニストのサムに対して「僕の好きな曲なのに、君は絶対弾いてくれない」と文句を言ったりもしていました。
そう言ったエピソードにも、2人の間にはお互いの良いところだけではなく、嫌な部分もろとも受け止めている感が表れていましたね^^
公式HPより
うますぎるお二人の演技
コリン・ファースとスタンリー・トゥッチの演技がもう、うますぎて!
リアルとしか思えないハグやキスの距離感というか親密度というか、一つ一つの動作に愛がこもっているんですよね。本当に愛し合っているんじゃないかとさえ思えました。
思い出を2人で話している時も、過去にすがっていなくて、今の自分たち自身を大事にしているところが素敵。
タスカーの病気のことで苦しむ2人の演技も、目線や表情とにかく細かいところまで繊細で素晴らしかった。
公式HPより
監督も俳優さん
監督はハリー・マックイーンという俳優さんで脚本も手がけているそう。
「僕と彼女とオーソンウェルズ」などの映画に出演されているらしいのですが、いや、この映画作ったの才能ありすぎると思いました!
LGBTQ+色々な愛の形と選択肢について考えてほしいと仰っています。
愛の果てと選択
イギリスといえばゲイ映画が本場!のような感覚です。
「モーリス」「アナザー・カントリー」などなど、若く美しい青少年のキラキラした青春のイメージですが、今作は熟年カップルの愛の果てを描いています。
光り輝く青春の煌めきはないですが、この映画のタイトルにもなっている「スーパーノヴァ」=超新星のように、年老いた恒星が最後の爆発で1番の輝きを放つように、穏やかな2人の生活に訪れた最後の煌めき。
どうのような結末だったのか、どのような結末が正解なのか、
ピアノ曲「愛の挨拶」に乗せ、ふわっと見る人の心に覆い被さります。
とても悲しく美しい映画でした。
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