岸井ゆきのが素晴らしい「ケイコ 目を澄ませて」

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ひなぎくのほぼ日記

どんなおはなし?

聴覚障害を持った実在のプロボクサー小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」をもとに、三宅唱監督が脚本も手がけた映画です。

ケイコ聴覚障害を持ちながらも、プロボクサーとして古いボクシングジムでひたむきに練習に励んでいた。

しかしある試合でひどくパンチを受けたこと、母親が「プロになれたんだし、もういいんじゃない?」と引退を望んでいること、色々な日常が重なりボクシングを続けることに疑問を持っていた矢先、恩師であるジムの会長が倒れてしまう。

荒いフィルム映像が郷愁を誘う

この映画、実は雰囲気からインディーズ映画だと思っていました。しかし始まってみると、間違い無く一級品の作品でした。

荒い、昭和風な映像ですが、それがなんともいえない雰囲気を醸し出しています。その画質で撮られる街の映像はとにかく味があります。

アンダーグラウンド感?抜け出せない狭い世界観?息苦しさもあり自由でもあるような、不思議な感覚になりました。

キャストが素晴らしい

岸井ゆきのさんが素晴らしすぎる!

各賞の主演女優賞を総なめしてるのも頷ける。これだけ動くためには、かなりボクシングを練習されたのでしょう。コーチ役の松浦慎一郎さんとのスパーリングはお見事でした!聴覚障害のある女性の役ということで、目の配り方や、手話、心の機微に至るまで丁寧に演技されていて素晴らしい。

恩師役の三浦友和さんも素晴らしい。ボクシングというとスポコンぽいのにこのオーナーは本当に穏やかで優しい。

妻役が仙道敦子さんで懐かしかった。相変わらずお綺麗で可愛らしい。

ボクシング映画は名作が多い?

この映画を見て真っ先に思い浮かんだのが「ミリオンダラー・ベイビー」。クリント・イーストウッド監督の名作ですがラストが悲しすぎてこの映画ももしや!とヒヤヒヤしてしまいました。

赤井英和さんの「どついたるねん」も下町を舞台にした和製ロッキーのような映画で印象に残っています。

あゝ、荒野」は前・後編ある映画で、寺山修司の小説を菅田将暉とヤン・イクチュンが演じた熱い映画で素晴らしかったです。

クリスチャン・ベールの「ザ・ファイター」も良かったです。

そんな名作の中、この「ケイコ 目を澄ませて」は派手でエンターテイメントなボクシングシーンではないですが、ケイコという小さな女性が、聴覚障害を抱えながらも、恐怖に立ち向かってひたむきに試合するシーンに心を動かされます。

リングの上で対峙した相手を勝手に敵として作り上げていたケイコが、相手もまた等身大の頑張っている、私と同じ女性なのだと感じ、フッと生きる世界のハードルが下がって、前向きにランニングしていくシーンは名シーンでした。

とにかく岸井ゆきのさん、素晴らしかったです!

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