「銀河鉄道の夜」を英語で読む

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まなび

日本文学を英語で読んでみましょう。読書の秋に何か始めてみたい方におすすめです。

今回ご紹介するのは、「『銀河鉄道の夜』を英語で読む 英訳・解説: ロジャー・パルバース コスモピア 以下本書といいます」です。

筆者にとって、原作の著者の宮沢賢治は、幼いころからとっても親しみのある作家です。
小学校の国語の教科書に出ていた「やまなし」を思い出します。
「雨ニモマケズ」を暗唱したことも懐かしい思い出となっております。 

『銀河鉄道の夜』を英語で読む

本書の特徴は以下の通りです。

「そしてほんとうに、風のように走れたのです。息も切れず膝もあつくなりませんでした。」
They found themselves running just like the wind without skipping a single breath or getting hot sore knees.

「そっちを見ますと、青白く光る銀河の岸に、銀いろの空のすすきが、もうまるでいちめん、風にさらさらさらさら、ゆられてうごいて、波を立てているのでした。」
When the two of them looked they saw the pale bank of the Milky Way glittering with pampas grass growing all along it, rustling and swishing, rolling in the wind into billows of waves in a silver sky.

ロジャー・パルバースは1967年に初来日して宮沢賢治作品に 魅了され、1970年に『銀河鉄道の夜』の初翻訳を終えてから、4回のリライトを繰り返してきました。宮沢賢治の叙情的で独特な文体、ユニークなオノマトペの数々はどのような英文になっているのでしょうか。
本書は左ページに英文、右ページに原文と語注を配置し、原文では改行がない箇所にも英文については適宜改行を加えて読みやすくしています。主語と述語がはっきりしている英語は、ときに原文よりわかりやすかったりするかもしれません。

24歳で亡くなった最愛の妹、トシが遠くへ行ってしまう旅に同行する銀河鉄道の物語。原文と英文の両方でじっくり味わうことができます。

■本書の原作は『宮沢賢治全集』(ちくま文庫)を底本とし、新仮名遣いに変更するとともに一部の漢字を改めています。韻文である「『春と修羅』序」は底本のまま旧仮名遣いで掲載しています。

●本書ご購入者は、音声付き電子版を無料で利用できます。
●音声はスマホでも聞けるストリーミング再生と、パソコンへのmp3音声ダウンロードも使えます。

ロジャー・パルバース
作家、劇作家、演出家、翻訳家、映画監督、東京工業大学名誉教授。
1944年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学大学院卒業。ベトナム戦争への反発からアメリカを離れ、1967年に初来日し、京都産業大学、東京工業大学で教鞭をとる。映画『戦場のメリークリスマス』で大島渚の助監督を務めた。

コスモピアの本書の紹介ページ

本書は、見開き構成で、左側に英文、右側に原文(日本語)となっており、気軽に取り組むことができます。

無理に英語で読むことにこだわらず、原文(日本語)で読み進めて、英語でどう表現されているかを確認することでもいいですね。

宮沢賢治の作品は美しい日本語がちりばめられています。

これまで、筆者は、「銀河鉄道の夜」については、あらすじを知っている程度で、しっかりと読んでみたのは今回が初めてでした。読み進めるうち、思わず、宮沢賢治の世界に引き込まれていました。

本書を手にとっていただき、原文を楽しむと同時に、英語という視点から、宮沢賢治の世界を旅してみませんか。

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