どんなおはなし?
19〜20世紀のパリに住むクロードのもとへ、イギリスから母の友人の娘アンが訪ねてくる。
彫刻家を目指すアンと、芸術好きのクロードは意気投合し仲良くなるが、アンは「私の妹にもあって欲しい・・・」とクロードをイギリスの自宅へ招く。
妹のミュリエルは目を悪くしていて、外ではサングラスという出立ちだった。
しかし、話すうち、そのツンデレな態度や、文学的な才能に引かれていくクロード。
アンとミュリエルとの気持ちで揺れ動くクロードだが、ミュリエルに狙いを定め、いざ告白!
さて3人の恋の行方は・・・。
トリュフォーの描く恋愛の心の機微
とにかく普通ならサラッと流してしまいそうな、400字くらいで書けそうな恋の結末を、延々と細かく丁寧に2時間描いた本作!
とにかくクロードが2人の女性に翻弄されまくります!笑
クロード目線なら
「お、アンって俺に気があるんじゃね?」
「いや、妹を勧めてるのか?ならミュリエルでも良いけども・・・」
「まあ、ミュリエルも文学的でツンデレで可愛いんだけどね!なんか俺のこと好きそうだし、俺もミュリエル愛してるかも!」
みたいな気持ちなんでしょうけど、トリュフォーの芸術的な映像が無表情のアンニュイなクロードに映ってちょっと笑えてしまう。
一方女性陣も女性特有の駆け引き体質で、
「クロードはパリっ子だし、ちょっと良いわよね〜でも妹って目も悪くて内向的だしこの先出会い無いかもだし、譲るべきかしら?」
「お姉ちゃんの魂胆は見え見えでなんか素直になれない自分・・・。でもクロードって優しいしこの辺の男にはいないタイプだし、好きって言えば好きだけど」
みたいな気持ち交錯してるんですが、文学的なセリフのやりとりで素敵な仕上がりに。
結婚してくれと言われて、結婚できない。でも私の心は川のように変わるので、期待はしていても良いわよ・・・などと、女心の難しさを本当に焦ったく(良い意味で)描いていて、トリュフォー天才だなって思いました!
衣装が美しい
19〜20世紀のイギリスとフランスのパリが舞台で、ご婦人型の衣装が本当に素敵です!ハイウエストのロングスカートと繊細なブラウスのシルエットが美しい。
帽子も素敵でした。
見終わって・・・
とにかく、何やら妙に疲れた映画でした笑
主人公のクロードがラスト、車の窓ガラスに写って自分を見て
「これが俺か・・・歳をとったな・・・」
とくたびれていたのも頷ける、そんな気持ちです。
私は女性なのに、クロードの気持ちになって2人の女性の間で疲れ切ってしまいました笑
それほどトリュフォーの描き方がすごかったんだと思います。素晴らしかった。
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