筆者も幼い頃から親しんできたTVアニメが「ゲゲゲの鬼太郎」です。
今年(2023年)、原作者の水木しげる先生の生誕100周年を記念して、公開されたのが、本作「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」です。
どんなお話
かつて、「哭倉村」という村があった場所を訪れた鬼太郎と目玉おやじ、ねこ娘。
朽ちた廃墟が残るこの地で70年前に、ある一族にまつわる惨劇がありました。
それは、「目玉おやじ」こと鬼太郎の父の過去、そして、鬼太郎誕生にかかわる出来事です。
事件が起きたのは、昭和31年のことです。
帝国血液銀行に勤める水木は、自身の出世のため、会社の命運をかけて、哭倉村に赴きます。
そこでは、龍賀家の一族により、急逝した当主時貞の後継と遺産をめぐり争いが始まっていました。
その渦中で、次期当主が惨殺され、犯人として疑いをかけられたのが、行方不明の妻を探している鬼太郎の父でした・・
互いの目的を成し遂げるため、一時的に協力した鬼太郎の父と水木は、続発する怪奇事件を調べていくうち、龍賀家と哭倉村のおぞましい真実を知ることになりますが・・
見どころ
とにかく鬼太郎の父が、かっこよすぎました(笑)。ビジュアルはもちろん、立ち居振舞いのすべてが素敵です。さすが鬼太郎の父だけのことはありますね。
父は、人間じゃない幽霊族の末裔ですが、妻を必死に探す愛情あふれる行動には感銘を受けました。
その母も登場しますが、あまりにも悲しい結末になってしまいます。
ちなみに、若い頃の母は、ねこ娘にどことなく似ていました(笑)
水木には悲惨な戦争体験を経て生き残った過去がありました。時々過酷な戦場がフラッシュバックします。
それゆえの利己的な行動は父と対比されますが、そんな彼も鬼太郎の父と出会って徐々に変わっていくのでした。
戦後の焼け野原から立ち上がる日本の姿は、先日みた「ゴジラ-1.0」の世界観と重なりました。
そして、子供のころから存在するのが当たり前だった鬼太郎の誕生までのお話は今まで語られてきませんでした。それは、筆者の想像をはるかに超えていて、とても感動的なものでした。
そういえば、龍賀家で下働きする謎の少年、「ねずみ」と名乗っていますが、もしかして?(笑)
あの「霊毛ちゃんちゃんこ」の誕生シーンもあったりして見ごたえ十分です。
上映時間があっという間に思えるくらいに素晴らしい物語を楽しむことができました。
機会があれば、ぜひ劇場で鑑賞していただきたい作品です。
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