2023年も残すところあとわずかとなりました。
映画の中からお題をつけてランキング形式で発表していく「映画なんでもランキング」!
今回は、今年(2023年)、筆者が劇場でみた映画の中でベスト5を発表したいと思います。
第5位 シン・仮面ライダー
悪の組織「SHOCKER」とそこで生み出されながら、あえて「SHOCKER」と戦う選択をした「仮面ライダー」こと本郷猛(池松壮亮)。
本郷をバッタオーグ(仮面ライダー)に改造した緑川博士は「SHOCKER」を裏切り、「プラーナ」の未来を彼に託す。本郷が変身できるのはプラーナの力によるものでした。そして、娘のルリ子(浜辺美波)を頼むと言い残して、追ってきたクモオーグによって命を奪われます。連れ去られたルリ子を救うべく、サイクロン号に乗って後を追います。変形したサイクロン号に跨ったまま立ち上がり、全身に風を受けると、大量のプラーナを吸収し、ベルトの風車が回転し、マスクの複眼が輝きます。バッタオーグとなった彼は、以後「仮面ライダー」と名乗り、組織の昆虫合成型オーグと死闘を繰り広げます。
まさに石ノ森章太郎先生の原作コミックのイメージそのままに、かつてのテレビシリーズでは、当時の技術的な限界から果たせなかったであろう究極の仮面ライダーを見ることができます。
そして、戦闘シーンのリアルさです。仮面ライダーは基本的に武器を持たず、パンチとキックで敵を倒します。しかし、並はずれたパワーの持ち主なので、「SHOCKER」の戦闘員は、彼のパンチで血みどろになり、キックで骨まで砕かれて絶命します。この映画では戦闘を美化してません。結局のところ殺し合いなのであると・・。仮面ライダーは最初にこの事実に人間として大いに悩みます。悩んだ末、ルリ子を守るためにはやむを得ない手段として戦いを受け入れていきます。
ほかには「シン・ウルトラマン」の出演者が意外な配役で出ていたり、庵野作品ではお約束の政府の機関も出てきます(笑)。
後半には「仮面ライダー第2号」こと「一文字隼人」が登場します。
そして、クライマックスはあり得ない衝撃の展開となります。
第4位 劇場版「SPY×FAMILY(スパイファミリー) CODE:White」
世界各国が水面下で、し烈な情報戦を繰り広げていた時代。
西国(ウェスタリス)の情報局対東課「WISE(ワイズ)」のエリート諜報員(エージェント)である「黄昏(たそがれ)」こと、ロイド・フォージャーに新たな指令が・・
なんと、進行中の「オペレーション梟(ストリクス)」の担当を交代させるというのです・・
これでは、ロイドがこれまで苦労して築いてきた、かけそめの「フォージャー家」が解散となってしまいます。
ちょうどその頃、娘のアーニャが通うイーデン校では、優勝者に「ステラ(星)」が与えられるという調理実習が行われることになります。
少しでも、オペレーション梟(ストリクス)を進展させ、任務継続につなげるため、ロイドは、アーニャにフリジス地方の伝統菓子を作ることを提案し、実際にその味を確かめるため、妻ヨル、飼い犬ボンドも一緒に「フォージャー家」でフリジスに向かうことになります。
原作漫画のスパイファミリーは、登場人物、時代、社会風俗などの作画、設定のすべてが素晴らしいです。そして、本作でも、この原作の良さを少しも損なうことなく制作されています。
この物語では、父「スパイ」、母「殺し屋」という、かりそめ家族の真実を知っているのは、超能力者である娘のアーニャと観客である私たちだけというのがミソです。いつこの真実がばれるのかとハラハラドキドキしながら見てしまいます。それはこのフォージャー家が、かりそめとは思えないほど素敵で、ぜったい壊れてほしくないって気持ちからです。そう思わせるほどに、父ロイド、母ヨル、娘アーニャはとっても魅力的なキャラです。
新たな家族のきずなも見られて大満足の時間を過ごすことができました。
第3位 君たちはどう生きるか
本作品は前宣伝は、ポスターのみで、内容は一切不明ということで、話題になりました。
上映のエンドロールで声優さんたちや主題歌アーティストの名が判明したという驚きの演出(?)でした。
そして、公開当初は、パンフレットも発売されていませんでした。
前宣伝がなかった分、純粋に映画が楽しめました。引退を撤回してまでも宮崎駿監督の作りたかった映画はこれなんだって。すごく共感できる部分も多かったです。主人公眞人の迷わず常に前を向いて進んでいく姿には勇気をもらいました。あの目の輝きこそが宮崎駿監督の作品の特徴です。
「アオサギ」も物語のキーになりました。
一度みて理解ができるとかできないという意味ではなく、機会があればもう一度ゆっくりと鑑賞したい作品です。
第2位 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
今年(2023年)、原作者の水木しげる先生の生誕100周年を記念して、公開されたのが、本作「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」です。
かつて、「哭倉村」という村があった場所を訪れた鬼太郎と目玉おやじ、ねこ娘。
朽ちた廃墟が残るこの地で70年前に、ある一族にまつわる惨劇がありました。
それは、「目玉おやじ」こと鬼太郎の父の過去、そして、鬼太郎誕生にかかわる出来事です。
帝国血液銀行に勤める水木は、自身の出世のため、会社の命運をかけて、哭倉村に赴きます。
そこでは、龍賀家の一族により、急逝した当主時貞の後継と遺産をめぐり争いが始まっていました。
その渦中で、次期当主が惨殺され、犯人として疑いをかけられたのが、行方不明の妻を探している鬼太郎の父でした・・
とにかく鬼太郎の父が、かっこよすぎました(笑)。ビジュアルはもちろん、立ち居振舞いのすべてが素敵です。さすが鬼太郎の父だけのことはありますね。
父は、人間じゃない幽霊族の末裔ですが、妻を必死に探す愛情あふれる行動には感銘を受けました。
その母も登場しますが、あまりにも悲しい結末になってしまいます。
ちなみに、若い頃の母は、ねこ娘にどことなく似ていました(笑)
水木には悲惨な戦争体験を経て生き残った過去がありました。時々過酷な戦場がフラッシュバックします。それゆえの利己的な行動は父と対比されますが、そんな彼も鬼太郎の父と出会って徐々に変わっていくのでした。
戦後の焼け野原から立ち上がる日本の姿は、「ゴジラ-1.0」の世界観と重なりました。
第1位 ゴジラ-1.0
「ゴジラ-1.0」は、確かに「ゴジラ映画」ですが、人間ドラマとして非常に見応えがありました。
本作品の主演の神木隆之介さんと浜辺美波さんといえば、2023年NHK前期連続テレビ小説「らんまん」で、それぞれ、植物学者牧野富太郎をモデルにした主人公の「槙野万太郎」、その妻「寿恵子」を演じられて話題となりました。
そのお二人が「ゴジラ-1.0」で再び共演ということで、本来の楽しみとはまた違った意味で楽しみにしておりました。
お二人ともそんな筆者の期待をはるかに上回る素晴らしい演技でした。
第二次世界大戦(太平洋戦争)で、運命を大きく変えられてしまった敷島浩一(神木隆之介)と大石典子(浜辺美波)は、焼け野原の東京で運命的な出会いをします。
そんな二人のひととき安らぎも「ゴジラ」の出現によって、再び大きく変わってしまいます。
実は、浩一は、前にゴジラに遭遇していて、その恐怖を実感していたのでした。
くじけかける浩一ですが、過去の自分にもゴジラにも立ち向かう決心をします。
この辺りは、奇跡ともいえる日本の戦後復興のパワーを感じさせます。
圧倒的な破壊王「ゴジラ」とそれに抗っていく人間たちのドラマ。
最初から最後まで飽きさせない展開は、さすが山崎貴監督だと思いました。
これまで「ゴジラ映画」をご覧になっていない方にもオススメです。
今年も一年間このブログを読んでいただきありがとうございました。<m(__)m>
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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