筆者は、現在、Adobeの「アドビことはじめクリエイティブカレッジ」で「Illustratorコース」を受講中です。
そこで学んだ中から、イラレ(Illustrator)を使う際にすぐに役立つTipsをご紹介いたします。
なお、本稿では、 Adobe Illustrator デスクトップ版の「28.2」で動作確認しました。
イラレとは
Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)を指します。
テキストや画像を組み合わせたレイアウトの作成、デザイン、また、線や図形を組み合わせたイラスト作成に最適なツールです。グラフィックソフトの中では「ベクトル系ソフト」に分類されます。(Adobeのクリエイティブカレッジテキストより)
今回は、「印刷用のデータを仕上げる際の注意点」です。
孤立点の削除
孤立点とは、ドキュメント上に単独で残ったアンカーポイントのことです。
- オブジェクトを削除するときに意図せず残ってしまうアンカーポイント
- 文字ツールでドキュメント上をクリックし、何も文字を入力しなかったときに残ってしまうアンカーポイント(文字情報を含む)
最近では孤立点による出力トラブルは減少していますが、出力エラーなどの原因になる可能性がありますので、なるべく削除しましょう。
①「レイヤー」パネルのパネルメニュー→「全てのレイヤーのロック解除」(ロックされたレイヤーがある場合のみ表示されます)
②「オブジェクト」メニュー→「すべてをロック解除」(ロックされたオブジェクトがない場合は選べません)
③「選択」メニュー→「オブジェクト」→「孤立点」を選ぶと、孤立点が選択されますので、Deleteキー で削除します。
※ロックされたレイヤー上の孤立点は選択できませんので、適時ロックを解除してください。
アウトライン
ドキュメントで使用したフォントが、受け取り側のフォント環境にない場合、フォントが置き換わってしまいます。文字の「アウトライン化」を行えば、文字情報を破棄してパスオブジェクトにするため、環境の違いによる文字化けを防ぐことができます。
①ロックを解除し全てのオブジェクトが選択できるようにします。
ただし、エンベロープで作成したテキストは、以下のアウトラインの手順でパスオブジェクトに変換できません。オブジェクトを選択し、「オブジェクト」メニュー→「エンベロープ」→「拡張」をし、パスオブジェクトに変換しておきましょう。
②Ctrl〔command〕キー+Aキーですべてのオブジェクトを選択し、「書式」メニュー→「アウトラインを作成」を選びます。
アウトライン前:プロパティパネルに文字や段落の設定が表示される。
アウトライン後:文字の周りにパスが表示される。
(注意)
文字のアウトライン化を行うと、フォント情報が失われてパスオブジェクトになるため、アウトライン後に「上書き保存」してしまうと、元の文字情報がなくなり、文字の編集ができなくなってしまうので注意してください。アウトラインを行った際は必ず「別名で保存」して、アウトライン化したデータと元の文字データとを別ファイルにしておきましょう。
画像
イラレで画像を配置する場合、「埋め込み」と「リンク」の形式があります。
- 埋め込み:画像はIllustratorデータに含まれていますので、そのまま自分以外の外部の方に渡しても問題は起こりません
- リンク:画像はIllustratorデータに含まれていませんので、Illustratorデータだけ外部の方に渡すと「リンク切れ」が発生します。
「リンク切れ」が発生する原因として以下の2点があります。
- 配置した画像を修正した場合:更新が必要
- ファイル名や保存先の変更、元画像を削除した場合:再設定が必要
「ウィンドウ」メニュー→「リンク」パネルを開くと、画像名の右にアイコンが表示されているものがあります。
ここで、実際に試してみましょう。
「イメージ.jpeg」でリンク切れが発生しているので、正しいファイルに再リンクします。
今回は、配置後にファイル名と拡張子を変更したのが原因です。
「リンク」パネルで「イメージ.jpeg」を選び、「リンクを再設定」ボタン(A)を押し、ポップアップしたフォルダから正しい「image.jpg」を選び「配置」を押します。
リンク切れは解消しました。
さらにリンクで配置されている「タイトル.png」をPhotoshopで開き、画像補正を行います。
※この手順はPhotoshopがインストールされている必要があります。
①「リンク」パネル上で「タイトル.png」を選び、「Photoshopで編集」ボタン(B)を押すとPhotoshopでファイルが開かれます。
②「色調補正」パネルから「明るさ・コントラスト」を開き、任意の設定に変更します。
③Photoshop上で上書き保存して、Illustratorに戻ります。
※下記のような警告のアラートが出ますが、ここでは確認のため「いいえ」をクリックしますが、「はい」を選ぶと更新されます。
④「リンク」パネルで「タイトル.png」に黄色の更新マークが確認できます。
⑤「リンクの更新」ボタン(C)を押すと画像が更新され、アイコンが通常のリンク状態に戻ります。
(参考)Adobeのクリエイティブカレッジテキスト
いかかでしたでしょうか。イラレは本当に奥が深いグラフィックソフトです。
これからも学びを続けて、少しでも表現力の向上に役立てられたらと思います。
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