どんなおはなし?
江戸の街に娘と2人、慎ましい生活をしている浪人柳田(草彅剛)。碁が得意な柳田は、その腕と人柄を商人の主人に見染められ、仲睦まじく碁を嗜むようになる。
ある日、昔の部下が訪ねてくる。藩士であった柳田は、仲間から盗みの疑いを着せられ、藩を追われて浪人となっていたのだったが、その疑いが晴れ、柳田を騙した武士・柴田(斎藤工)は逃げ、賭け碁をしながら放浪しているという。
そして実は柳田の妻の死にも、この柴田が関係していることを知り、柳田は復讐を誓う。
その頃、商人の館にあった50両が紛失し、その疑いをかけられた柳田は激昂する。
娘を人質に50両を用立てた柳田は、商人に
「もし50両が出てきたら、お主の首を貰い受けるが良いか!」
そう言い残し、復讐に旅立つのだが・・・
白石和彌監督と草彅剛のタッグ
監督は「孤狼の血」の白石和彌監督。最近ではネットフリックスのドラマ「極悪女王」でも話題の売れっ子監督です。
任侠的なアクションが得意の白石監督が、『ミッドナイト・スワン』で圧巻の演技を見せた草彅剛を主役に、侍のリベンジものを「碁」という軸とともに描き、傑作となりました。
その他にも、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼と錚々たる豪華絢爛な顔ぶれが集結。
正直、中川大志の演じた弥吉が、ツッコミどころ満載の人物ですが、そこだけもやもやの残るストーリーでした。けど、こうゆう人いるよなとも思ったり。そう見ると、かえって人間らしいのか。。。
清廉潔白でいることが正しいのか
とにかく清廉潔白であることを美徳として生きてきた柳田という武士ですが、結果的に免罪事件に2度も巻き込まれ、貧しい浪人生活を送っている自分に
「清廉潔白でいることは本当に正しいのだろうか」
と自分で疑問を抱きます。
白石和彌監督の映画では、こういった、悪と正義の微妙なバランスを問う作品が多くて、考えさせられてしまいますよね。
とにかく、草彅剛さんの、碁をうつ美しい所作、静の演技。そして打って変わって、激しく激昂する武士っぷりが見事な演技で魅了されます。アマゾンプライムビデオで配信中ですので、お見逃しなく!
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