フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティー、カンザス・イヴニング・サン別冊

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映画チャンネル

どんなおはなし?

架空のフランスの街アンニュイにある新聞社支社で発行されている「フレンチ・ディスパッチ」紙。

カンザス州のイブンニング・サン紙の週末の別冊である本誌は、選りすぐりの個性的な記者を抱えとても人気があります。

この「フレンチ・ディスパッチ」の創始者である編集長が亡くなったことで、その遺言により廃刊することになった本誌の最終号の各記事が、オムニバス形式で紹介されます。

実際の「ニューヨーカー」紙をモデルとしている

ウェス・アンダーソン監督が今作のテーマとして掲げているのは、「アンソロジー」「ニューヨーカー」「フランス映画」ということで、このフレンチ・ディスパッチニューヨーカー紙をモデルにしているそうです。

ビル・マーレイの演じた編集長も、ニューヨーカー紙の編集長をモデルにしているとのことで、この雑誌への並々ならぬ思い入れを感じますよね。

豪華なウェス劇団

もう一つのテーマ「アンソロジー」については、最終号に寄稿したライターたちの記事を映像で読んでいくような体験でができ、ライターそれぞれの、素晴らしい文章にはため息が出ます。ぜひ文字で読んでみたい!

そのライターや、登場人物がまた豪華で『ウェス劇団』とも言うべき楽しさです。

編集長のビル・マーレイ初め、ライターには常連のオーウェン・ウィルソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン、ベニチオ・デルトロ、シアーシャ・ローナン、そしてティモシー・シャラメレア・セドゥリナ・クードリなどのフレッシュな若者もいて、いろんな国や世代がごちゃ混ぜなのに、ウェス監督の世界観によってまとまっていて、それぞれが楽しんで演技しているように感じました。

まさに『ウェス劇団』でした!

フランスへの憧れ

3つ目のテーマ「フランス映画」。ウェス・アンダーソンは、若い頃からフランスの映画や音楽、文化などに憧れを抱いていたということで、この映画ではフランスの俳優も多く起用され、フランス語のセリフも多いです。

またフランス愛について意気投合したという、元PULPジャーヴィス・コッカーTIP-TOPという名義で挿入歌をフランス語で歌っていてとてもかっこいいのです。

舞台が70年代ということもあって、お洋服もいちいちかわいい。

レア・セドゥが看守役なんですけど、その制服まで可愛いんですよね。

ごちゃ混ぜのようで調和が取れている

アメリカとフランス、英語とフランス語、多人種、カラーとモノクロ、実写とアニメーション、時間軸、ととにかく目まぐるしく移っていく映画です。監督曰く、僕の好き勝手作ってる、そうですが(笑)それでもなお完成している映画です。

スタッフ曰く「ごちゃ混ぜのようで調和が取れている」という言葉がまさに納得で、強烈で確固たる『ウェス・アンダーソンの世界』があってこその調和なのだと思います。

いつも、ウェス・アンダーソン作品を見る前(あとウディ・アレン、あとジム・ジャームッシュ)は、ちょっとめんどくさいかな・・・って思ってしまうんですけど、見出すと途端にワールドに入ってしまって、魅了され、そのラストには「は〜〜」と、クオリティーの高さに、ため息の大満足となるのです。

その余韻を感じていただくために、ジャーヴィス・コッカーの曲を貼っておきますので、ぜひ聞いてみてください!

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